１０月２４日、フィリピンのマニラ市にあるニノイ・アキノ国際空港で中国政府がフィリピンに援助した第４陣の新型コロナワクチンを搬送するスタッフ（写真＝新華社提供）

アジア太平洋経済協力（ＡＰＥＣ）の第２８回非公式首脳会議がこのほど閉幕した。各メンバーは「ＡＰＥＣプトラジャヤ・ビジョン２０４０」実施計画を採択し、開放的で活力に満ち、強靭かつ平和的なアジア太平洋共同体の構築に向けて重要な一歩を踏み出した。

目下、新型コロナウイルス感染症と百年に一度の大変革による影響が重なり、世界で最も成長の活力と発展のポテンシャルを備えた地域であるアジア太平洋地域は、新型コロナウイルスの感染拡大や経済回復の不確定性といった厳しい試練に直面している。各メンバーは手を携えて、１日も早く新型コロナウイルスに打ち勝ち、経済成長を回復させるべきだ。中国はアジア太平洋地域が直面する試練とチャンスに焦点を当て、さまざまな政策や意見を打ち出した。これらは中国が絶えず地域協力を深化させ、アジア太平洋地域の共同発展を促していく決意と努力を表している。

感染症対策における協力を推し進め、大国としての責任感を示している。ワクチンを世界の公共財にすると率先して提起したことを始めとして、他の発展途上国にワクチンを提供し、さらには自国のワクチン企業の発展途上国への技術移転や協力生産を後押しするなど、中国は一貫して実際の行動により国際的な感染症対策協力を積極的に促進してきた。今回の会議では、中国は世界と地域の感染症対策を支援するさまざまな取り組みを重ねて表明し、ＡＰＥＣの「感染症対策と経済回復」サブファンドに引き続き資金を拠出することを約束し、手を携えて感染症に打ち勝つための自信と力をもたらした。

多国間主義を堅持し、開放・ウィンウィンを提唱している。開放はアジア太平洋協力の生命線であり、アジア太平洋地域が持続可能な発展を実現するための重要な前提条件でもある。中国は地域的な包括的経済連携（ＲＣＥＰ）協定を率先して承認し、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定（ＣＰＴＰＰ）への加盟を申請するなど、行動によって地域経済の一体化を推進している。

地域協力を深化させ、未来志向で共に発展を図っている。中国は積極的に「持続可能な開発のための２０３０アジェンダ」を実行し、自国で貧困削減を実現すると同時に、国際的な発展協力を展開し、アジア太平洋地域の各メンバーの共同発展の実現を後押しする。気候変動対策を極めて重視し、「２０３０年までのカーボンピークアウト行動計画」を制定し、地域のグリーントランスフォーメーションの実現を促進する。また、中国は科学技術のイノベーションとコネクティビティの強化を提唱し、中国が提議した「ＡＰＥＣインターネットとデジタル経済に関するロードマップ」とＡＰＥＣコネクティビティ・ビジョンは「ＡＰＥＣプトラジャヤ・ビジョン２０４０」実施計画に盛り込まれ、アジア太平洋地域の長期的発展のためによりしっかりとした基礎を固めた。

今年は中国のＡＰＥＣ加盟３０周年に当たる。この３０年間、中国は改革を深化させ、開放を拡大してきたと同時に、アジア太平洋地域の経済協力も絶えず拡大してきた。中国は現在、社会主義現代化国家の全面的建設という新たな道のりに就いており、アジア太平洋地域の各メンバーと共にアジア太平洋経済協力の新たな１ページを開くことを願っている。

「北京週報日本語版」2021年11月16日