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BATなどのネット大手もチップの自社開発に乗り出すのはなぜ?
  ·   2021-11-05  ·  ソース:人民網
タグ: インターネット;チップ;経済
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チップは今や大手インターネット企業が業界の枠を超え、こぞって参入する競争の先端分野になりつつある。今月3日には、騰訊(テンセント)が初めて自社開発の、人工知能(AI)における計算、動画処理、高性能のネットワークに向けた3種類のチップを公開した。同社の湯道生・シニア執行副総裁は、「チップはハードウェアの最も核心的な部分であり、インダストリアル・インターネットの最も核心的なインフラでもある。当社はこれからずっとチップを積極的に探求し、長期的な投資も行う」と述べた。

今回のテンセントの自社開発チップ参入の発表前に、百度(バイドゥ)と阿里巴巴(アリババ)も自社開発チップの競争に乗り出し、字節跳動(バイトダンス)もチップ業務をひっそりとスタートさせている。ネット大手が相次いで自社チップの開発に乗り出すのはなぜか。業界の専門家によると、「ソフトウェアとハードウェアの一体化の流れがますます明確になるのに伴って、基層のチップの計算能力に対する産業界のニーズが勢いよく上昇しているからだ」という。

テンセントが3種の独自チップを初公開

テンセントは3日に行われた「テンセントデジタルエコシステムサミット2021」で、チップの進展状況を初めて明らかにした。3種類の独自開発のチップは、AIによる推理に用いられるチップ「紫霄」、動画のデコードに用いられるチップ「滄海」、スマートNIC(ネットワーク・インターフェース・カード)に用いられるチップ「玄霊」。このほかクラウドネイティブシステムに用いられる「遨馳」も発表された。

テンセントはなぜ自社チップの開発に乗り出すのか。騰訊雲(テンセントクラウド)の邱躍鵬総裁は、「テンセントクラウドは大規模な計算能力、リアルタイム分析、究極伝送の3つの方向へと向上し、技術の基礎を絶えず突き固めている。一方で、チップはインダストリアル・インターネットの最も核心的なインフラだ。AIにおける計算、動画処理、高性能のネットワークという大きなニーズのあるシーンに向けて、テンセントはチップの研究開発に取り組んだ」と明かした。

ネット大手がチップ競争に続々参入

バイドゥとアリババはテンセントとともにBATと並び称されるが、自社開発チップの競争ではテンセントよりも動きが速かった。18年7月、バイドゥはAI開発者会議において、独自開発で中国初のクラウド上で用いられる汎用型AIチップ「崑崙」を発表し、その中にはトレーニング用チップの「崑崙818-300-300」と推理用チップの「崑崙818-100」が含まれていた。

アリババやバイトダンスなどのネット大手も、川上のチップ産業へ触手を伸ばすようになった。今年10月19日には、アリババ傘下の半導体企業の平頭哥が杭州・雲棲会議2021(APSARAカンファレンス2021)で、独自開発のクラウド用チップ「倚天710」を発表した。アリババによると、このチップは業界で最強の性能を誇るARMベースのサーバ向けチップで、性能は業界基準を20%上回り、エネルギー効率は50%以上アップした。しかし阿里雲(アリババクラウド)のインテリジェントビジネスグループの張建鋒総裁(達摩院院長)によると、「倚天710のチップは販売せず、主にアリクラウドでの自社使用に当てる」という。

産業のトレンドが大手に自社開発チップを迫る

AIベンチャー企業に投資する人の話によると、「BATがこぞってチップ開発に参入したのは、市場のトレンドに順応したからだが、より的確な言い方をすれば、産業のトレンドが大手に自社チップの開発の流れに乗るよう迫ったからだ。ネットテクノロジー企業にとって、ソフトはエンジンに過ぎず、技術を取り囲む堀を発展させたいなら、チップの設計・開発という鍵となる部分の短所を補わなければならない。クラウドコンピューティング業界の発展に伴って、ソフトとハードの一体化トレンドがますます明らかになっており、ソフトがハードを決定づける流れを止めることはできない」という。

AIチップ企業のカンブリコンも年次報告の中で、大手がなぜそろってチップ開発に乗り出すのかについて、「現在のディープラーニングを代表とするAI技術は日常生活と伝統産業における普及応用が進み、基層のチップ計算能力へのニーズが飛躍的に増大し、成長率はムーアの法則の速度を大幅に上回る。AI計算能力には大規模な演算量、高い並行性、頻繁なアクセスという特徴があり、演算処理装置のCPUとGPUなどに用いられる従来型チップに比べ、汎用型スマートチップはAIアルゴリズムの鍵となる演算操作によりよく対応しこれを支援するものとなり、性能とエネルギー効率において明らかに優位性を持つものとなる」という側面から回答した。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年11月5日

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