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中国はなぜ国際的消費中心都市を建設するのか?
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· 2021-08-26 · ソース:人民網 |
タグ: 消費;国際貿易;経済 | 印刷 |
商務部(省)の王文涛部長は7月19日に行われた国際的消費中心都市活動推進会で、「国務院の承認を経て、上海市、北京市、広州市、天津市、重慶市で、全国に先駆けて国際的消費中心都市の育成・建設を展開する」と発表した。
中国はなぜ国際的消費中心都市建設のテスト事業を行うのか。なぜこの5都市に建設されるのか。中国の対外開放構造にどのような影響を与えるのだろうか。
国際的消費中心都市とは何か?
まず、国際的消費中心都市とはいったい何だろうか。国際連合から世界銀行に至るまで、一連の経済関連機関は国際的消費中心都市を明確に定義していない。国際的消費中心都市という概念は、市場の力、人々の調達・消費行動を通じて、文化システムの内部においてゆっくり形成されていくものだ。
このほど打ち出された関連の指導意見では、この点について説明がなされている。それによると、国際的消費中心都市は現代の国際化した大都市がもつ中核的機能の1つである。それは消費資源の集積地であり、さらにはその国の、ひいては世界の消費市場の先端であり、消費による強いけん引・誘導の役割をもつものだという。また、国際的であることが方向性であり、消費行動が核心であり、中心であることが重要だということが明確に示された。
国際的消費中心都市に関する公式の発表は突然に思えるが、実はその裏側には5年に及ぶ準備期間があった。国務院は2016年に観光、文化、スポーツ、ヘルスケア、介護、教育・研修などの分野における消費のさらなる拡大に関する意見を発表し、中国が国際的消費中心都市を積極的に育成することの幕開けとなった。2019年初め、商務部が国際的消費中心都市建設テスト事業の展開を打ち出すと、各都市がすぐに呼応した。報道によると、北京、上海、深セン、広州、重慶、蘇州、成都、寧波など域内総生産(GDP)が1兆元(1元は約16.9円)を超える都市20数ヶ所が消費中心都市の座をめぐる戦いに乗り出したという。
なぜこの5都市なのか?
国際的消費中心都市の第一弾として最終的に選ばれたのは北京、上海、広州、天津、重慶だった。なぜこの5都市なのか。
1つ目の理由は、地理的に絶好の条件が整っていることだ。上海には世界10大港湾のトップに立つ上海港があり、商業で港湾が栄え、港湾で都市が栄えてきた。北京と天津は「首都経済圏」である京津冀(北京・天津・河北)の2つの中心であり、連動効果を生み出しやすい。広州は粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市圏)の中核都市の1つで、珠江デルタの製造業エリアや粤港澳大湾区の開放的システムとリンクして、消費の面でグローバル市場によりよく融合することができる。重慶市は5都市の中で唯一の中西部地域の都市で、東と西、南と北をつなぐ役割を果たしている。
2つ目の理由は、規模の大きさと質の高さだ。今年上半期の社会消費財小売総額を見てみると、上海は前年同期比30.3%増の9048億4400万元に達して、全国のトップに立った。北京は同21%増の7227億5千万元、広州は同19%増の5034億4800万元、重慶は同29.9%増の6893億元、天津は同17.2%増だった。昨年の数字を見ると、新型コロナウイルス感染症の打撃を受けながらも、上海、北京、重慶は1兆元を突破し、上海と重慶はプラス成長を達成した。
3つ目の理由は、対外開放レベルが高いことだ。開放レベルの高さが5都市の共通性だ。中国国際貿易促進委員会研究院の趙萍副院長は、「この5都市が擁する国際的ブランドの製品とサービス、滞在外国人数、国際線、列車、船舶はいずれも全国トップレベルで、優れた国際化の基礎を備えている。具体的には、北京、上海、広州は中国国内都市で開放度が最も高い。天津は近代に中国で最も早く通商のために開かれた港湾都市であり、外資が早くから進出し、豊富な商業貿易の基礎を有する。西部大開発の戦略的支点である重慶は、『一帯一路』(the Belt and Road)と長江経済ベルトの連結点であり、その戦略的位置づけがますます重要になっている」と述べた。
このほか、5都市には政策的誘致力が強いという特色があり、低い税率、税還付のしやすさ、円滑な出入国といった政策により、消費拡大を強力に推進している。同時に、ビジネスを誘致する力も強く、ビジネス圏が多く、ビジネス圏における消費の規模も大きい。
国際的消費中心都市の育成・建設は、この5都市が国内と国際的な2つの循環「双循環」が相互に作用しあうポイントにおいて、内需を力強く支える役割を発揮し、世界に中国の消費の実力を示すことを意味する。
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