CO2排出ピークアウトとカーボンニュートラルの実現に向け、鉄鋼、建材、非鉄金属、石油化学工業などの各重点業界のCO2削減方針が明らかになってきている。「経済参考報」の調べによると、中国はCO2排出ピークアウトとカーボンニュートラルの「1+N」の政策体系の構築を急ぐ。関連部門及び業界協会は現在、重点業界のCO2排出状況及び排出削減の潜在力の徹底調査を行っており、その全国炭素市場への組み入れに向け準備を進めている。これらの重点業界のプロジェクト建設のCO2排出の環境影響アセスメントの試行も始まっており、より多くの地域がCO2排出を環境アセスメントに組み入れている。

先ほど開かれた中共中央政治局会議は、CO2排出ピークアウト及びカーボンニュートラルの活動を統一的かつ秩序正しく徹底し、2030年までのCO2排出ピークアウトの行動案を早急に打ち出すとした。中国気候変動事業特使の解振華氏はこのほど、「中国はCO2排出ピークアウトとカーボンニュートラルの『1+N』の政策体系と、CO2排出ピークアウト、カーボンニュートラル、全国、各地、各分野、各業界に関連する政策措置を発表する。この政策体系はエネルギー構造最適化、産業及び工業の最適化及び高度化の促進、関連経済政策及び改革措置などの10方面で、モデル転換及び革新を加速する政策措置及び行動を講じる」と述べた。

このほど始まったCO2排出の環境影響アセスメントの試行が、道を模索する措置であることは間違いない。生態環境部はこのほど発表した「重点業界のプロジェクト建設のCO2排出の環境影響アセスメントの試行の展開に関する通知」の中で、河北省、吉林省、浙江省、山東省、広東省、重慶市、陝西省の7エリアで、電力、鉄鋼、建材、非鉄金属、石油化学工業などの重点業界のCO2排出の環境影響アセスメントの試行を展開するとした。2021年12月末までに試行地域で重点業界のプロジェクト建設のCO2排出の環境影響アセスメントの活動メカニズムをほぼ構築する。2022年6月末までに重点業界のCO2排出水準及び排出削減の潜在力をほぼ把握する。

試行省・直轄市のほか、より多くの地域が積極的にCO2排出を環境アセスメントに組み入れている。例えば海南省生態環境庁はこのほど「CO2排出の環境影響アセスメントの試験的展開に関する通知」を印刷・配布し、「2高」プロジェクトを新たに建設する場合、環境アセスメントを展開すると同時にCO2アセスメントを展開すべきとした。また既存の「2高」プロジェクトが現状のCO2アセスメントを積極的に展開し、CO2排出の現状を明らかにし、CO2排出総量抑制及び排出削減の要求を自ら掲げることを奨励するとした。その範囲は電力、建材、石油化学工業、化学工業、製紙、医薬品、油ガス採掘などの重点業界。

生態環境部環境規劃院管理・政策研究所の董戦峰副所長は、「より多くの地域の環境アセスメントの設立は、重点業界のCO2排出水準及び排出削減の潜在力を徐々に把握し、重点業界のCO2排出の主要工程の生産技術、生産施設の規模、資源エネルギー消費及び総合利用状況などの明確化に資する。これによりエネルギー利用、原材料使用、技術最適化、省エネ・CO2削減技術、輸送方法などの面から詳細なCO2排出削減措置を打ち出せる。これは炭素取引市場の細分化、異なる炭素取引商品の市場における位置づけ及び価格決定などに対しても、ガイドの効果を発揮できる」との見方を示した。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2021年8月15日