湖北省荊州市のヴァレオ自動車空調湖北有限公司は２月下旬に秩序立てて操業を再開し、現在生産能力は９０％に回復している。（写真＝新華社提供）

上海市は外資系企業の営業再開率を９９.９％にまで推し進め、広東省の工業・情報化部門は製造業における重点企業１０２社のリストをまとめ、営業・生産再開を追跡するサービスの仕組みを打ち立てた。江西省は輸出入の阻害を打破し、国際定期貨物列車「贛欧班列」の運行を再開した……新型コロナウイルスによる肺炎の状況が継続的に良い方向へと向かうに従い、各地域は多くの措置を取り、全産業チェーンの営業・生産再開が加速するよう秩序立って推進している。このことは企業の困難を解決するだけでなく、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定と安全の維持にも力強いサポートをもたらした。

新型肺炎は中国の産業チェーンにどのような影響を生むのか？グローバルサプライチェーンにおける中国の地位に影響を及ぼすのか？新型肺炎の発生後、国際社会はおしなべて産業チェーン・サプライチェーンの圧力に対する中国の強靭性を高く評価しているが、一部には新型肺炎が世界全体に広がる中、中国の産業チェーン・サプライチェーンにダメージを与えると懸念する者もいる。われわれはこの問題といかに理性的に向き合うべきなのだろうか？

短期的にみて、新型肺炎が中国経済に影響を及ぼすことは避けられず、一部の業種・企業も一定のダメージを受けるだろう。とりわけグローバルサプライチェーンは深く融合しており、「あなたあっての私、私あってのあなた」という今日の世界において、中国以外の新型肺炎の対策状況は逆に中国国内に影響を与え、一部の対外貿易企業は受注難、契約履行上の困難、国際物流の滞留、貿易障壁の増加などの問題に直面するかもしれない。

一方で、中国は世界最大規模で、部類が最も揃っており、組み合わせが最も完全に備わった製造業システムを有しており、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの中で重要な地位を占めている。新型肺炎の発生後、格力電器や美的集団などの家電企業は続々とマスクの生産ラインを立ち上げ、自動車メーカーの上汽通用五菱はわずか７６時間で完全オートメーションマスク製造機を生産し、中国石化（シノペック）は１２日でマスクの原料であるメルトブロー不織布の生産工場を作り上げた……業界を越えた新型肺炎との戦いの事例は、まさしく中国の完備された製造業システムと川上と川下の一体化を映し出すものだ。生産性やインフラなどの要因がより重要さを増しているグローバルバリューチェーンシステムにおいて、中国は他に代えがたい比較優位を有している。言うなれば、短期的なものである新型肺炎がグローバル産業チェーン・サプライチェーンにおける中国の地位を揺るがすことは不可能だ。

また一方で、中国における新型肺炎の予防・コントロールの情勢は引き続き良い方向へと向かっており、生産・生活の秩序は迅速に回復していて、外資系企業を含む重要産業・リーディングカンパニーは続々と営業・生産再開している。このことは中国の産業チェーン・サプライチェーンの強固な強靭性を示しただけでなく、グローバルサプライチェーンの安全を守った。そればかりか、中国は新型肺炎の影響を軽減するために一連の政策措置を取ったが、これからも的確な措置を打ち出していく。そのため、新型肺炎の影響によって産業チェーン・サプライチェーンが中国から海外へと大規模に移転する現象が起きていないだけでなく、むしろグローバル産業にとって中国の誘致力はより強まっている。

もし将来に目を向ければ、中国はグローバルサプライチェーンにおける重要な部分であるのみならず、大きな影響力を持つ「世界市場」であることが分かるはずだ。企業を支援する短期的な措置だけでなく、ビジネス環境の最適化において長期的に効果のあるメカニズムが存在する。巨大な規模の市場や成長著しい新産業、そして持続的に最適化されていくビジネス環境がある。グローバル産業チェーン・サプライチェーンにおける中国の総合的な優位性は弱まるどころか、逆に強まっていく。

中国がグローバルサプライチェーンの安定において示した責任と役割は、ますます多くの未来を見据えるグローバル企業から評価されている。対外開放を拡大する中で営業・生産再開を推し進める中国の措置は、グローバルサプライチェーンの安定を維持するために中国の力を捧げ、グローバル企業が発展のボーナスを享受するために中国のチャンスも提供している。

「北京週報日本語版」2020年3月20日