ますます多くの金融機関が海外に進出している。現在までに、中国銀行は１２の国・地域で人民元決済業務を行っており、世界の顧客に２４時間休むことなく人民元決済サービスを提供している。また、興業銀行は既に世界で１４００以上の提携銀行と１２種類の通貨による決済協力システムを打ち立てた。 

それと同時に、人民元の国際化水準は絶えず向上している。２０１８年、国際貿易の人民元決済業務額は５兆１１００億元で、直接投資の人民元決済業務額は２兆６６００億元だった。国際通貨基金（ＩＭＦ）の特別引出権（ＳＤＲ）を構成する通貨バスケットに組み入れられた後、人民元が世界の外貨準備で占める割合は着実に増えている。 

海外進出する企業が必要とする資金量が絶えず増加するにつれて、「一帯一路」と組み合わさった金融サービスは絶えず向上し、フィンテックの実力は絶えず強まり、中国の金融業の海外進出は時代のすう勢となっていく。これによって、中国の金融業の国際競争力がさらに高まる。 

試練の中で開放のスピードを加速させていく 

８月６日、上海自由貿易試験区の臨港新エリアが正式に発足した。金融開放の分野で、臨港新エリアも新たな歩みを進めていく。今後臨港新エリアにおいてより開放的で、円滑的で、自由な金融政策が試行され、さまざまな金融の開放・革新措置の秩序立った推進、金融法治環境のさらなる完備などによって、金融の開放・革新の新たな高みが築かれる。 

中国の金融開放が秩序立って推進されるに従い、外資系金融機関の中国市場参入の歩みとテンポはより加速し、中国の金融市場はグローバル金融システムにより融合していく。 

開放が加速すると同時に、試練とチャンスも存在する。開放は中国資本の金融機関のモデルチェンジの加速、市場メカニズムの完備の推進などといった新たなチャンスをもたらすとともに、製品のイノベーション能力、優秀な人材の競争、監督管理モデル・方式などの多方面に渡る試練をもたらす。 

今後、中国資本の海外進出であろうが、もしくは外資導入であろうが、相互の適応・融合が進んでいき、どちらも常態となっていくだろう。