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革新を続ける 日本小規模企業・岡田織物の生き残る道
  ·   2019-05-29  ·  ソース:人民網
タグ: 日本企業;革新;経済
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5月17日、日本和歌山県の岡田織物で撮影したフェイクファー製品。(撮影・杜瀟逸)

日本の和歌山県高野山の麓にある有名小規模企業の岡田織物を訪れた。数十平方メートルにも満たない応接室兼製品展示コーナーにいると、この「田舎の工房」のようなフェイクファー生地メーカーが世界のファッション界の新たな人気者であり、シャネルやルイ・ヴィトン、グッチなどの国際ハイブランドに製品を提供するサプライヤーであるとはなかなか想像できない。新華網が伝えた。

同社はわずか4人の社員で数百種類に上るフェイクファーを作り出す。毛足の長さはいろいろで、色もたくさんあり、それぞれに光沢の加減が異なり、ふわふわで滑らかな製品に触れると、この企業に他にはない独自の優位性があることを信じざるを得ない。

同社のある高野口町一帯は、江戸時代末期に繊維産業が興り、明治時代に欧州の紡績技術を吸収し、一時は起毛素材で繁栄を極めた。しかし価格競争力の低下や産業の海外移転にともない、繊維工場の数は最盛期の数百社から現在は60社に激減し、売上高も全盛期の10分の1に減った。

同社も1991年に深刻な経営難に陥った。この年に家業を継いだ岡田次弘現社長は、革新と優れた製品を生み出すことで会社を救おうと決め、動き出した。

岡田社長が真っ先に解決しなければならなかった問題は、フェイクファーの毛が毛根から毛先まで同じ太さだということだった。そこでベースになる生地に使われる繊維に着手し、三菱ケミカル株式会社繊維素材事業部と共同開発を進め、試作を繰り返して、最終的に切断面が従来の円形とは異なり3つに分かれた先割れ繊維「プロパール」を開発した。この重要な改良に起毛素材の製造段階後半での仕上げの技術が加わって、同社が生み出すフェイクファーは根本が太くしっかりし、毛先は細く柔らかく、本物のような質感を作り出すことに成功した。

国際ブランドに製品を受け入れてもらうには、別の問題を克服しなければならなかった。フェイクファーは生地の裁断中に毛がカットされてしまい、毛が抜けやすくなるという問題だ。

そこで岡田社長は日本の有名繊維機械メーカーの島精機製作所をたずね、フェイクファー専用の裁断機を共同開発した。その操作プロセスでは、針のような裁断装置が絵を描くようにイメージ図に添って軽快に動き回り、さまざまな形状の生地が1枚1枚カットされて機械から送り出される。機械の回りはきれいに片付いており、少しの毛くずも見られない。

岡田社長は、「2002年に欧州市場で受け入れられなかった時から、2010年にルイ・ヴィトンが自ら来てくれるようになるまで、岡田織物は8年かかった。繊維の改良や裁断プロセスの革新だけでなく、太陽光を熱エネルギーに変換する発熱ファー、超ソフトな手触りのSoft RexやPremium Rexなどの新製品も開発し、日本で商標登録した」と説明する。

世界で動物保護や持続可能な発展の意識が高まるのにともない、ファッション界は毛皮離れの傾向がますます明確になり、岡田織物は欧米ハイファッションブランドのサプライヤーとしてますます人気を集めるようになった。多い年には製品の40%が海外に輸出され、18年の売上高は1億2千万円に達した。

岡田社長は革新を続け、家業を救済しただけでなく、周囲の多くの企業にも活力をもたらした。起毛素材の製造は非常に複雑な工程であり、全部で40を超える工程を経なければならない。岡田織物の本物そっくりなフェイクファー生地は高野口町一帯の企業約20社が分業し、共同で完成させたものだ。

取材を終えて高野口町を後にするときに深く感じたのは、時代のニーズや変化に応じ、革新を続け、優れた製品を生み出す戦略を堅持し、伝統的製造業の優位性と現代の科学技術を高度に融合させたことこそ、岡田織物という小規模企業が生き残る道ということだ。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年5月27日

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