民間企業の海外進出と外資導入においては、陸路交通がしっかり整備されていることが必要不可欠だ。現在の泉州では既に、高速道路、国および省の幹線道路、農村道路が組み合わさった道路交通ネットワークが形成されている。ますます伸び続け、密度を増していく道路網は港と内陸を結び、港における貨物輸送の効率アップを促すだけでなく、港とリンクする経済圏を広げ、内陸部や農村の活性化にも寄与している。
「日増しに進んでいく交通インフラ整備は、泉州の『21世紀海のシルクロード』先行エリア建設を支える基盤となり、産業発展の面でも企業の海外進出と外資導入のために良好な貿易環境を生み出しています」と劉さんは語った。
華僑の故郷としての強みが後押しする「21世紀海のシルクロード」共同建設
「海のある地に必ず泉州人の姿あり」「泉州に10軒の家があればそのうち9軒は家族の中に華僑がいる」。泉州市帰国華僑連合会の陳暁玉主席はこのような2つの言葉で、泉州と華僑の結びつきの豊富さを表す。
泉州市帰国華僑聨合会の陳暁玉主席(撮影・本誌記者張巍)
海洋文化の強い影響を受け、昔の泉州人は続々と故郷を離れ、異国の地で生計を立て、発展を求めた。統計によれば現在、泉州出身の華僑・華人は950万人以上にのぼり、170を超える国と地域に分布していて、そのうち9割以上は「一帯一路」沿線の国と地域に暮らしている。長きに渡り、泉州出身の華僑・華人たちは異郷にあっても故郷に心を寄せ、その中からは優れた人物が次々と現れた。
「海外に住む泉州人を中心とする団体は既に8000以上あります。海外団体は一方ではそれぞれの国に、もう一方では故郷である泉州と繋がっており、『一帯一路』建設に協力し、参加する上で独特の強みをたくさん持っています」と陳さんは説明してくれた。これら海外団体の仲立ちと協力によって、泉州に本拠を構える多くの企業が「一帯一路」沿線国に支社や工場を作り、また海外団体はたびたび海外でプロモーションを行い、「一帯一路」沿線国の企業が泉州で投資や起業をする上でのチャンネル作りに寄与している。
さらに、華僑をサポートする組織として、泉州市帰国華僑聨合会はプラットフォーム構築でも大きな貢献を成している。その中で陳さんが最も熱を入れて語るのは、泉州市帰国華僑聨合会が創立した「一帯一路」法律専門家グループだ。「私たちはさまざまな団体や同郷の人々の推薦を通じて法曹界の人材を集め、チームを立ち上げました。その目的は企業の海外進出について法的なアドバイスを提供することにあります。中国企業が海外でトラブルや困難に直面した際、法律専門家グループが問題解決のために助力することもできるのです」。
泉州にルーツを持つ華僑・華人は泉州の経済社会発展を推し進める重要な力であり、「21世紀海のシルクロード」建設における人と人を結ぶ絆、架け橋ともなっている。また、日々進んでいく交通インフラ整備も、泉州の対外開放を引き続き拡大させ、国内外の資本を引き寄せる上で重要な環境基盤だ。「21世紀海のシルクロード」先行エリアを築くという泉州のビジョンは、今まさに一歩一歩、構想から現実へ変わりつつある。