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実店舗書店が経営難の中 日本の蔦屋書店はなぜ好調なのか
  ·   2019-03-21  ·  ソース:人民網
タグ: 書店;実店舗;経済
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代官山店はターゲットを中高年に定めている。現在の中高年とは第二次世界大戦後の第1次ベビーブーム世代を指す。この層は1960年代中期〜後期の日本経済の飛躍を引っ張り、今では相当の資産を保有する。統計によると、この層が日本の個人資産の90%を保有するという。この層は紙の本とともに育ち、紙の本に愛着があり、紙媒体を読む習慣を維持する世代で、金もヒマも愛着もあるのが特徴だ。日本では高齢化が進行し、この層はますます規模が拡大していく。中高年の顧客に向けて、蔦屋書店は本の選択、マーケティングと営業販売、店内のデザイン、色の選択など、すべて大量のデータを分析して決定する。店内には専門家がガイド役を務めており、たとえば代官山店の旅行コーナーには65歳の旅行家がいる。世界100ヶ国以上を旅し、ガイド本を10数冊出版した旅のエキスパートだ。音楽コーナーには200回以上コンサートを開き、ジャズのプロデューサーでもある音楽家がおり、料理コーナーにはたくさんの料理本を出版した料理界の有名人がいる。こうしたガイド役は買い付けから売り場での配置まですべてのプロセスに責任を負い、お客様に商品を薦める。ガイド役には豊富な専門知識や最新の情報が必要で、専門家でなければ務まらない。こうした専門家が薦めることで、顧客の側では信頼感や依存度が高まるといえる。

蔦屋書店のお客様第一の理念は、顧客がするさまざまな体験やイベント参加に現れている。代官山店にはたくさんの体験コーナーがある。この店にはジャズ、クラシック、ロック、ポピュラー音楽など多様なジャンルのCD12万枚のストックがあり、顧客は自分で選んで席に持っていき、コーヒーを飲みながら視聴することができる。レストランも独特で、四壁を古本や雑誌が埋め尽くし、食事をしながら、本や雑誌を手にとって眺めることができる。またシンポジウム、講座、コンサート、読書会などのイベントも定期的に開催され、大勢の参加者がある。

蔦屋書店によると、「大きな成功を収めた理由はデザインにある。あらゆる方面でお客様の視点から出発し、何が足りないか、何を必要としているかを考えた。ただお客様の思考に合わせるだけでなく、お客様を引っ張って新しいライフスタイルを体験してもらうにはどうすればよいかを考えた。書店を『家』に変え、蔦屋書店にいつまでもいたいと思ってもらえるようにしなければと考えた」という。

第3に、イノベーションを要とする点が魅力だ。蔦屋書店の発展は持続的なイノベーションのプロセスだといえる。1983年の創業時、伝統的な「書店は本を売る」という理念を打ち破り、本を売るだけでなく、ビデオやDVDも売り、本と電子製品が一体化したチェーン型書店の販売モデルを確立した。2011年にもモデル転換を実現し、書店の空間を再構築し、ただ本を売るだけから、本と商品を一緒に置く、本によって商品を売る、本によって商品を薦めるへとモデル転換し、ビッグデータに基づく販売モデルを実現した。たとえば顧客が本を1冊買った場合、ビッグデータがその顧客の好み、趣味、関心をすぐに分析し、興味がありそうな本や雑誌を薦める。蔦屋書店は膨大な消費者のデータを利用して、書物を購入する層を分析し、分析結果に基づいて選りすぐりの本を選び、精密で正確な本の仕入と販売を行っている。

蔦屋書店には、1週間に1冊の本だけを売るという販売モデルもある。専門的な調査研究に力を入れ、利用者のSNSデータを収集し、来店者の読書傾向を分析し、その上で出版情報を踏まえ、利用者が興味を感じると思われる本、最もすすめ甲斐のある本を選び抜いて提示する。1週間に1冊だけだが、これまでの1冊はどれも好調な売れ行きだったという。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年3月21日

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