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天然ガス・リンの「自産自消」を実現した日本の下水処理場
  ·   2018-10-30
タグ: 下水処理;神戸;経済
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下水処理は処理した汚水を排出し、汚泥を焼却したり埋め立てたりするのが一般的だが、このほど日本・神戸市の下水処理場を取材したところ、大量の天然ガスを生み出すだけでなく、汚泥からリンも回収しており、ゴミの中から資源をすくい取り、「自産自消」を実現していた。新華社が伝えた。

この神戸市東灘処理場を訪れると、高さ30メートル、容量1万立方メートルの楕円形の消化タンクが目に入る。汚水の沈殿処理で出た汚泥をこのタンクに入れ、間伐材や食品工場の廃棄物などのバイオマスと一緒に発酵させることで、純度が60%のメタンガスが発生する。精製して純度を高めると98%に達し、天然ガスの基準をクリアする。

専用のエレベーターに乗って建物の10階の高さのタンク上部にたどり着くと、タンク内で汚泥がぶくぶく泡立つ様子が見られた。地上で巨大なタンクを見上げても、タンク上部にいても、異臭はまったくしなかった。

神戸市建設局下水道部の担当者は、「市の下水処理場でできた天然ガスの約半分は発電に利用し、約16%は工場で利用し、残りは都市ガスのパイプラインに回したり天然ガス自動車に利用したりする。東灘処理場にはバイオガスステーションがあり、市の天然ガスの路線バスの一部に燃料を供給している」と話す。

東灘処理場では汚泥を発酵させて天然ガスを生み出すだけでなく、発酵後の汚泥からリンを回収することまで実現した。まず発酵後の汚泥に水酸化マグネシウムを加え、化学反応が起きた後、分離装置と乾燥装置でリン酸マグネシウムアンモニウムを取り出し、再生リンを含む肥料「こうべハーベスト」を生産するという工程だ。

日本は毎年約55万トンのリンを輸入する。汚泥がすべて利用されるようになれば、輸入量の10%を再生リンでまかなえるようになる。神戸市は2017年、こうべハーベスト3600トンを販売し、袋には「再生リン」と表記している。15年から毎年、関係機関はこうべハーベストで育てたトウモロコシの収穫イベントを市民とともに行っている。

同部の担当者の説明によると、「神戸市の下水道と下水処理場は1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受け、01年に新たな下水道ネットワークが建設された。深さ20メートル、総延長33キロメートルの地下パイプライン網は市内の下水処理場4ヶ所とつながり、どこか1ヶ所が稼働を停止しても、残りの3ヶ所で分担して十分な処理が行えるようになっている」という。(編集KS)

「人民網日本語版」2018年10月30日

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