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中国の経済貿易影響力を活用する
梅新育  ·   2017-11-30  ·  ソース:
タグ: 経済貿易;輸入;経済
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「輸入力」は権力になる――2010年に米国でトヨタ自動車の大規模リコール問題が起きた時、当時52歳の豊田章男社長が米国議会下院の公聴会でトヨタ自動車製品の安全性について詰問される場面を目にして、筆者は評論でこう断言した。 

この公聴会で豊田章男社長が最初に行ったのは、「絶対に偽証せず、もし偽証した場合は法的処罰を受けることもいとわない」と宣誓することだった。日本の巨大企業のトップが、米国議会で米国の法律の拘束と処罰を受けると宣誓するとは!彼にこのような態度表明を強いたのは、米国のどのような力だったのか? 

その答えは、米国の「輸入力」である。米国が全世界最大の単一国家市場を持ち、既存の国際通貨体系の下で無限に近い「輸入力」を持っていたからこそ、企業の将来にとって極めて重要なこの市場を保持するために、豊田章男社長は屈辱的な公聴会を辛抱せざるを得なかったのであり、日本政府は「アンクル・サム」が日本の一部主権を踏みにじるという苦い結果を黙って受け入れざるを得なかったのだ。そして米国にとっては、非常に多くの外国企業が米国国内に子会社や資産を有し、米国はそれらを対象に判決を下せるため、こうした外国企業やその経営幹部に対して域外管轄権力を行使することもそれほど難しくはない。 

トヨタ自動車の大規模リコール騒動から7年が過ぎた今、中国はすでに全世界で指折りの輸入大国、急速に台頭する新興海外旅行大国、対外直接投資大国に成長した。そのため少なくとも理論上は、その立場にふさわしく、他国において中国の歴史上かつてないほどの経済貿易影響力を持つようになった。中国が予測可能な未来においてもなお世界的な保護貿易主義の最大の被害者であることが見込まれ、そして中国と多くの貿易相手との間が経済、国民・海外在住中国系住民の安全、政治、ないしは軍事安全保障面でスムーズにいっていない状況を前にして、我々はいかにして自国の経済貿易影響力を活用し、自国の国民と産業のためにより良い環境を作るべきなのか?

第一に重要なのは、貿易相手の国内社会が中国の経済貿易影響力を認識できるようにし、この影響力を大切にする価値のある発展チャンスと捉えることだろう。結局のところ、我々の目標は貿易相手との摩擦解決であり、些細な争いごとを全て共倒れの結果になる衝突にしてしまうことではない。我々が期待する結果は発展であり、一時の怒りを発散することではない。したがって、我々は根気よく、しかも多様な形式で文化・教育の輸出と人的交流を展開し、貿易相手国内で広く人付き合いをしていく必要がある。しかし、人的交流の際に、自国民よりも優遇する「超国民待遇」を相手に与えることは努めて避けるべきだ。特権はしばしば与えられた者の心に尊重ではなく軽視を芽生えさせるだけである。 

次に、商品・サービスも含め、代替となる輸入相手国を開拓し、先進製造業とハイエンド現代サービス業の輸入代替を進め、そうすることで貿易相手国内の非理性的勢力の干渉リスクを効果的に低減することが必要だ。輸入代替については、中国はこの数十年優れた効果を上げてきた。輸入相手国の多元化面でも、関係国に次の点を意識させるべきだ。輸入小国は往々にして規模効果のために輸入相手国の多元化を犠牲にせざるを得ないが、中国のような輸入大国は何の問題もなく規模効果と輸入相手国の多元化を両立させることが可能であり、中国市場に高い値段でふっかければ市場をすっかり失う結果になるのである。 

包み隠さずに言うならば、我々がどれだけ人が善をなすのを助けようとしても、摩擦が激しい争いに発展するのを完全に避けることは不可能だ。そしてまた、我々が経済貿易影響力を活用するためには制裁もやむを得ない手段となる。このような状況においては、いかにして自国経済への干渉を最大限減らし、目標を達成するかを考えるべきだ。したがって、我々が優先的に考えるべきなのは、相手から輸入している代替性の高い原料・エネルギーなど一次産品と、最終消費財、観光や映画・テレビなど消費性サービス、多国籍産業チェーンを構成している部品など中間製品、先進設備、生産性サービスについてはできる限り干渉されることを避け、中国で当事国が投資している輸出・製造業企業に対しては干渉せず、彼らの安全かつ正常な生産秩序を保証し、それによって製造業の最高の投資先という中国の評判と環境を保証することである。

(梅新育 商務部研究院研究員)

「北京週報日本語版」2017年11月30日

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