国務院の李克強総理は5日午前に行った政府活動報告の中で、都市部の社会保障対策としての安居プロジェクトの建設と不動産市場の安定的で健全な発展を推進する必要があるとの見方をうち出した。李総理は、「人々の合理的な住宅消費を支援する税金政策、ローン政策を整え、住宅の硬直的需要と住み替え需要に対応し、都市ごとの政策措置によって不動産の在庫整理を進める必要がある。賃貸と購入が併存する住宅制度を構築し、条件を満たした外部人口を公的住宅の対象範囲に徐々に組み込む必要がある」と指摘した。
不動産市場はマクロ経済のバロメーターであり、中国は健全な不動産市場の維持を非常に重視してきた。同部の高部長は第12期全国人民代表大会第4回会議の開幕式に出席した際、「中国の一線都市の不動産価格の変化が大きいことに対し、当部はずっと高い関心を寄せており、北京、上海、広州、深センの4都市と密接なやりとりを続けている。4都市はさまざまな方法を考えて市場の安定をはかり、具体的な措置には次の5点がある。▽厳格な購入制限政策を実施すると同時に、差別化された税金政策とローン政策を厳格に実施する▽土地の供給面積を増やすと同時に、タイミングよく情報を公開して、信頼感を安定させる▽中小規模物件の供給数を増やし、社会保障向け住宅の供給建設を進める▽各種の取引における違法行為・ルール違反行為を摘発する▽世論を正しく誘導する、の5点だ」と述べた。
国内外の人々が中国政府の不動産市場安定の能力を見極めようとしている。在庫整理の重要任務として、不動産市場には2015年下半期以降、好材料となる政策が次々に登場した。だが今年の春節(旧正月、今年は2月8日)が終わると、一線都市の不動産の価格と量が一斉に跳ね上がり、外部では在庫整理でさらにレバレッジが高まるのではないかとの懸念が広がった。特に中国人民銀行(中央銀行)が今月1日に金融機関の人民元建て預金の準備率を0.5ポイント引き下げると発表すると、市場では金融政策が緩和に向かうシグナルとの見方が広がった。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年3月6日