(2)不動産に投資する人
元の値下がりが不動産投資に影響する
不動産を保有する人は資産が目減りする可能性がある。元と不動産はシンクロする。元が持続的に値上がりした9年間は、中国の不動産価格が持続的に値上がりした9年間でもあり、不動産保有者の個人資産も急速に評価額が上がった。不動産の価格上昇への期待から、多くの人が不動産を買いたいと強く願うようになった。元の値下がりは、投資家の懸念を引き起こし、資産が不動産から逃げることになる。特に早い時期に海外から国内に流れ込んだ資金は、元の値下がりを受けて中国から流れ出し、再び中国市場に入ってくることはないと考えられる。こうしたさまざまな作用により国内の不動産資産の価格低下が助長されることになる。
(3)留学生
元の急落は米国留学費用を膨らませる
米国に留学しようと思う学生にとって、元の値下がりは一夜にして両親の負担が増えることに他ならない。銀行関係者は、「元のこのたびの急落は、留学生の家族を恐慌状態に陥らせている。米ドルに両替する家族がいつもより大分多い」と話す。専門家は、短期的に外貨を使用する予定のある顧客に対し、数日間のレートの動きをみて、レートが比較的低い時に外貨を入手し、両替の時期をいくつかに分けてリスクを分散するのがよいと提案する。特に留学を考えている人は、大量の外国為替資金が必要なため、まず両替をしてから外貨建ての資産運用を行うのがよいという。