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中国でドキュメンタリー「中国医生」と「派出所的故事2019」が大ヒットしているワケは?
  ·   2020-03-20  ·  ソース:人民網
タグ: 職業;ドキュメンタリー;文化
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 中国全土の人々が新型コロナウイルスとの闘いに挑んでいる期間中、医師に焦点をあてた「中国医生(The Doctors)」と警察に焦点をあてた「派出所的故事2019( Police Stories-Guardians on the Move)」のドキュメンタリー2作品が人気を集めている。これらの作品は、時にやさしく、時に厳しく、自分の責任を果たしながら、問題と向かい合い、そして時には失望させられながらも、希望を失わない医師と警察のさまざまな「顔」を、さまざまな角度から、網羅的に紹介しており、視聴者に、医療と警務が国民の生活の中で果たしている重要な役割を認識させている。視聴者は医師や警察の仕事への理解を深めると同時に、その辛さ、喜びをも深く感じることができる。そのため、同2作品は高い人気を集め、「中国医生」に登場する医師や「派出所的故事2019」に登場する警察が、ネット上で「時の人」とさえなっている。文匯報が報じた。

ドキュメンタリーである業界にスポットをあてたことで、その業界が人々から高く評価されるようになるといった現象はなにも今回に限ったことではない。例えば、これまでに医師にスポットをあてた 「人間世(Life Matters)」や「急診室故事(The Story In ER)」、「生命時速·緊急救護120」、職人にスポットをあてた「大国工匠」、「我在故宮修文物」、「尋找手芸」、荷担ぎ人夫にスポットをあてた「最後的棒棒(The Last Stickman of Chongqing)」なども、好評を博し、高い人気を集めてきた。

一方で、中国の様々な業界を取り上げた「お仕事ドラマ」については、その口コミは全体的に伸び悩んでいる。ではこうしたドラマも一つの職業や業界にスポットを当てているにもかかわらず、なぜドキュメンタリーのような高い評価を得ることができないのだろうか。それだけでなく、ドラマに登場する職業や業界で働く人々は「実際とは全然違う」と声を上げ、一般の視聴者もそうした職業や業界に良いイメージを抱いたり、称賛したいという気持ちになったりすることもできていない。「中国医生」や「派出所的故事2019」の高い人気は、多くの視聴者が職業や業界を取り上げた面白い中国国産の「お仕事ドラマ」を見たいと期待していることの表れとも言えるだろう。

こうした「お仕事ドラマ」の製作に大成功している欧米や日本、韓国などの国や地域をみてみると、医療や刑事、法律などの業界にスポットをあてたドラマに対する人気は衰えを見せない。

医療にスポットをあてた代表的なドラマとしては、欧米の「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」や「Dr.HOUSE 」、「The.Good.Doctor」、日韓では、「浪漫ドクターキム・サブ」や「アンナチュラル」、「ドクターX~外科医・大門未知子~」などがあり、刑事にスポットをあてた代表的なドラマとしては、「FBIアメリカ連邦警察」や「シカゴ P.D.」、「CONTROL~犯罪心理捜査~」、「NCIS ~ネイビー犯罪捜査班」、「現場」、「検事内伝」、「秘密の森~深い闇の向こうに~」、「警視庁捜査一課9係」などがあり、弁護士など法律業界にスポットをあてた代表的なドラマとしては、「ベター・コール・ソウル」や「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」、「殺人を無罪にする方法」、「99.9 -刑事専門弁護士-」、「ハイエナ」、「町の弁護士 チョ・ドゥルホ」などがある。

では、この3つの業界はなぜ、長年にわたって、こうした「お仕事ドラマ」にインスピレーションを提供し続け、人気の衰えを見せない題材であり続けているのだろうか?それには3つの理由が考えられる。

まず、医師や検察官、裁判官、警察、弁護士などはいずれに専門の知識が必要な職業だ。「プロフェッショナル」というのがそれら職業の大きな特徴であり、それをドラマにすると専門的なコンテンツや作品を提供できることは想像にたやすい。

次に、それら業界は、一般の人々とも密接な関係があると同時に、特殊性があるため、その中で起きているバラエティーに富んだエピソードを提供することができる。例えば、病院には様々な患者がおり、警察は様々な事件を扱っている。そして、弁護士事務所が扱う各種案件は、エピソードの「宝庫」であり、世相をも反映している。

3つ目に、それら業界は、トラブルが多く、劇的なストーリーに満ちている。生と死、善と悪、有罪と無罪などが、それら業界と密接に関係し、さらに、そこに人間性も満ちているため、業界の現状を描写したり、社会問題を表現したりと、非常にドラマ化しやすい。

プロフェッショナルであるためたくさんのエピソードがあり、バラエティーに富むエピソードがあるため、社会や人生と紐付けることができ、それら業界は、一般の人々に命や生活について立ち止まって考える機会を与えやすい。それと同じ理由から、「中国医生」や「派出所的故事2019」など高い評価を得ているドキュメンタリーもこうした業界を描いているのだ。

そして、こうした「お仕事ドラマ」は世相をも反映している。医師が患者を治療し、警察が犯人を逮捕し、弁護士が案件を取り扱うといったこうした全ての過程に「人」が関わっており、それら職業や業界は人生と関係が深い。また、「お仕事ドラマ」というのはドラマの一つのジャンルだ。そのため、「専門分野」には最低ラインがあり、それを超えることは決してできない。症例や案件は「専門分野」であり、患者や犯人は「人」であり、「物語」であり、「世相」でもある。しかし、一部の中国国産の「お仕事ドラマ」は、患者などの物語を通して世相を反映させるのではなく、そのストーリーは主に職場のドロドロとした勢力争いや恋愛、いざこざばかりに重きを置いており、リアリティや業界に対する敬意に欠けているほか、一つのジャンルとしてまだ十分に成熟していない。そのため高い評価を得ることができていないのも当然と言えるだろう。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年3月19日

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