安倍首相はサミット中、ウクライナ問題とアジアの情勢は連動しているとし、中国による東中国海と南中国海での「実力による現状変更」を非難するよう西側諸国に求めた。これは西側の大国を巻き込んで中国に圧力を加えようという日本の意図をあからさまに示すものだった。
▽おいそれとは従わない欧米諸国
フランスと米国、ドイツ、英国、イタリア、カナダのG7のほかのメンバー国は、日本政府の計算に気付いていないわけではない。だが時には同盟国の外交メンツを立てなければならないこともあるし、各勢力間の均衡をはかろうとする意図も働く。
例えば昨年のG7サミットでは、中国を名指しで批判しようという安倍首相の願いはかなわなかった。サミット後のコミュニケの最後に、東中国海と南中国海での緊張を懸念しているとの文言が入っただけだった。
今回のG7の海洋安全保障に関する宣言を実現するのに、日本が相当の工夫をこらしたことは間違いない。ほかの諸国が南中国海と東中国海の問題で大っぴらに日本に加勢はしないと計算した上で、海賊対策や情報共有などのほかの議題を混ぜこんで初めて、宣言の採択にこぎつけた。
各国の連携が緊密となる近年、ますます影響力を低めてきたG7は、とっくの昔に一枚岩ではなくなっている。G7を利用して中国に圧力をかけようという日本の意図にG7のほかのメンバー国が従うとは考えにくい。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年4月20日 |