最も重要なのは、日本企業や新興市場のグローバル企業は指導層の多様化を確保すべきだという教訓である。また国内の社員管理手段をほかの国に適用してはならないという教訓も引き出された。各国の人にはそれぞれ特徴があり、国内の管理のスキルや奨励の仕方がうまくいくとは限らず、企業は土地に応じて管理のスタイルを変える必要がある。
▽疑問が持たれる雇用モデル
多くの経営学専門家が指摘する日本企業のもう一つの問題は、長期にわたって固定化してきた雇用モデルである。
かつて日本企業の発展を支えた、「三種の神器」と呼ばれた企業制度があった。「終身雇用」と「年功序列」、それに「企業文化への忠誠」である。日本企業はこれらの方式を通じ、欧米の企業管理モデルとは少し違うやり方を生み出し、企業の従業員に対しては、比較的豊かな保障が提供されていた。
年功序列賃金制は1950年代、日本に広く普及した。実施してすぐに際立った効果が上がった。企業の従業員を最大限に安定化し、企業に対する従業員の同一感と帰属感を高めようとした。だが社会と経済の発展に伴い、この制度の弊害も明らかになってきた。最も深刻な問題は、賃金収入が従業員の実際の仕事能力や実績を反映できず、職務または職位の特徴を十分に反映することもできず、従業員同士の間に競争が不足するということである。
また日本企業の指導方式の特徴は、共通認識を探すことにある。指導の方法では、欧米の企業はもっと軍隊に近く、明確な命令線があり、経営層とその他の従業員との間には明確な境界がある。日本企業はコミューンに近いもので、すべてのメンバーは平等とされ、共通認識の達成や共同での政策決定が強調される。
中山大学管理学院の毛蘊詩教授は、日本企業は集団的な政策決定や意見の一致を重んじるため、政策決定のプロセスに時間がかかると指摘する。一度政策が決定されれば、実施は順調だが、新たな経済における変わりやすい市場環境への適応は非常に難しい。これと対照的なのは、政策決定のプロセスが素早い米国企業である。企業内部で政策決定に異なる意見が存在していても、市場環境へのすばやい戦略的な反応と調整を行うことができる。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年4月15日
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