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李克強総理は2015年の政府活動報告の中で、「創客(アイデアを現実に変える人)」という言葉を使った。経済学の角度から見ると、新政策による後押しを受けた中国の「創客」たちは、「ニーズはあるが、技術がまだ存在しない」という問題に目をつけ、新しい製品やサービスを生み出すこともできるし、逆に「技術はあるが、ニーズがまだ存在しない」という問題に目をつけ、既存の製品やサービスから新たな特徴を発掘することで、新しい市場を開拓し、新たな生活のニーズを生み出すこともできる。環球時報が伝えた。(文:馮昭奎・中国社会科学院栄誉学部委員、中国中日関系史学会顧問)
ここで注意すべきは、同じ「今あるニーズ」を満たすための製品・サービスでも、満足させる度合いと水準には大きな開きがあるということだ。当然、消費者はニーズを高い水準で満たしてくれる製品やサービスを好む。近頃日本で買い物をする中国人観光客が激増したことも、この事実を裏付けている。中国人が日本で買って来るのは、何も最先端のハイテク製品というわけではない。「メイド・イン・ジャパン」の多くは非常にシンプルな製品であり、技術的に重大なイノベーションがあるわけではない。「メイド・イン・ジャパン」が消費者を引きつけるのは、メーカーが消費者の立場に立ち、堅実に市場調査を行っているからだ。生産現場を重視し、長年こつこつと技術を磨き続けているからだ。「一品入魂」の精神でもって商品の質を絶えず高め、力を尽くして良いものを作るプロセスとその結果から喜びを得ているからだ。日本の学者は、このような精神を「匠の精神」と呼び、丹精込めてものづくりをし、数十年を費やして「一芸に秀でること」を目指す中小メーカーを日本の「国宝」と呼ぶ。