家事労働の社会化は果たして女性に何をもたらせるのか。先日、上海市婦女連合会は上海復旦大学の社会性別発展研究センターとともに家事サービスというテーマで、転換期にある家事労働の社会化と男女平等の問題についてインターネットアンケートを実施した。回収された2334件の有効回答からネットユーザーは、「家事サービスの発展は、女性に選択の自由を与え、女性は部分的にキッチンから開放され始めている」と強く認識していることがわかった。解放日報が報じた。
三世代同居の家庭は、家事ニーズが最も切迫
アンケートによると、4割の家庭で家事は女性の年長者が担当しており、家政婦が家事をしている家庭はたったの5%前後しかなかった。うち、孫世代と同居している三世代同居の家庭では、家政婦の必要性が最も切迫しており、子どもの世話、掃除、総合的な家事などに対する需要の回答率が核家族(核家族とは二世代で構成されている家庭で夫婦とその未婚の子供を示す)よりはるかに高かった。
家政婦を雇わない理由については、第一位が「自分でこなす時間がある」で回答率45.2%、次いで経済的な理由が23.2%、そして「安全性に懸念がある」16.0%、「他人に下手にやられると嫌だから」14.7%、「うちにいる高齢者が手伝ってくれる」14.6%だった。
年齢から見ると、20歳以下のネットユーザーは安全面から家政婦を雇わない人が多く、20歳から30歳では父母がまだ若いことから、専門的な家事サービスの必要をあまり感じておらず、30歳以上になると「自分でこなす時間がある」の割合が高く、41歳から50歳までの世代で「経済的な理由」が集中した。このことから、中年層は仕事が忙しく家事負担も重いという二重のプレッシャーにさらされていることがわかる。
この他、47.2%のネットユーザーが家事サービスの発展は、男女の家庭での役割を変えるものではなく、女性に選択の自由が与えられ、キッチンから部分的に開放されるだけだと考えている。また、14.8%のアンケート対象者がある程度、家事は楽しみであると認識している。
注目点は「基準あるサービス」がどのようになされるか
アンケート対象者の中で全体の0.4%にあたるたった10人だけが月々の家計サービスに5000元以上を支出していた。151人が501元-1000元で6.5%。その他9割近い家庭で家事サービスの支出は500元以下だった。
上海市は「模範的な家事サービスステーション」の構築を進めており、経営場所、サービス規模、管理モデル及びサービス料、仲介料、管理費の徴収などの面で条件や基準を制定している。中でも何が一番難しいかといえば、ネットユーザーは「基準あるサービス」の実施が最も難しいと認識しており、続いて「規範ある管理」だという。
「政府に求める家事サービス市場の施策」については、ネットユーザーから最も期待されているのは「技術訓練の提供と厳しい就業資格の発行」、「サービス料の規範化、家事サービス業界の管理強化」、「業界規範の制定と専門的な評価等級の設定」だった。同時に「社会保障を強化し、家政婦の利益を保証する」、「サービス業発展に刺激となる財務税制の優遇策」にも賛同が寄せられた。(編集EW)
「人民網日本語版」2013年9月25日
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