禹王文化で繋ぐ東アジア
「禹王文化は千年を超えて日中を連携させてきた。日中だけでなく東アジアにその連携も広げ、禹王文化は共有されてきた。これに関連する研究は、東アジア文化関係の解析に非常に有用であると信じる。今、東アジアの時代といえる。その東アジアがあらゆる面で連携を進めれば勢いに弾みがつく。そのうち、文化面における連携は他分野より先行できる可能性が高い」と王敏氏は語った。
文命東堤
東アジア文化交流への期待について、府川裕一氏は次のように述べた。「東アジア各国は政治的には、互いの主張が折り合わず、緊張関係が存在していることは事実である。しかし、より歴史的な視野に立ち謙虚に歴史を振り返ってみれば、1つの文化圏を形成していることは明らかである。関係各国が互いの共通性をもう一度認識することを通じて互いが判り合う土俵を作っていくことが今求められている」。
文命西堤
また、東京大学特任教授、前文化庁長官の近藤誠一氏は次のように強調した。「文化とはそもそも人類の進歩とともに、民族や居住地域の特性を反映しながら自然に作り上げられてきた。しかし近代主権国家の誕生とともに、地球は力(軍事力)の論理に基づく国境によって人為的に分割され、自然発生的に生まれた文化や民族の形態や分布を無視した国境線が引かれることとなった。実際には国家の枠を超えた広い文化圏が存在し、ダイナミックに発展してきたこと、それが諸国民間の相互理解を促進し、無用な対立を避ける上で重要な役割を果たし得ることを考えれば、東アジアの文化を一体として捉えようとする東アジア文化交渉学の問題意識は注目に値する」。
(写真はすべて繆暁陽撮影)
「北京週報日本語版」2015年5月11日 |