財政再建プランに基づき、日本政府は来年4月と2015年10月に、現在の5%の消費税率を段階的に8%・10%に引き上げる予定だが、その前提となるのは2%以上の実質的な経済成長率だ。消費増税は、重い負担にあえぐ財政再建を目的とする、財政政策の一つだ。多くの専門家とメディアが、これをアベノミクスの「4本目の矢」と称していることからも、その重要性をうかがい知ることができる。
しかし日本経済の主要任務が2%の物価目標の実現とするならば、消費増税を暫時見送る十分な理由が存在する。これを見送らなければ、日本は資産購入による金融緩和の加速と同時に、増税を始めとする財政引き締め策をとることになる。金融・財政政策の深刻な「ズレ」は、経済再生の先行きに不安定要素をもたらす。一部の消費者は、消費増税によりモノの購入を控えるだろう。
安倍政権の内部からも、消費増税に対する懸念の声が聞かれる。これにより消費が急激に冷え込み、2%という物価目標の実現、経済再生にとって不利だというのだ。安倍内閣の特別経済顧問を務める浜田宏一氏は、「日本は2四半期連続で4%の経済成長を実現してから消費増税に踏み切るべきだ。そうしなければ、政府の刺激策による効果が失われる恐れがある。消費増税が日本経済にもたらす打撃を鑑み、政府は慎重に決定すべきだ」と重ねて表明している。また多くのエコノミストは、1997年の消費増税が、経済を衰退に陥れたと批判している。
みずほ総合研究所の推算によると、消費税が引き上げられた場合、2014-2016年度の日本の実質的な国内総生産(GDP)は1.2-1.6%減となり、経済再生と物価目標の実現に深刻な負の影響がもたらされるという。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年7月30日 |