教科書に限らない。東京の主要書店に並ぶ他の出版物も、全体的に、保守化に傾いている状況が垣間見られる。
教科書の政治化によってもたらされる最大の問題は、日本の若い世代が、歴史の授業から完全な歴史観を得られなくなることだ。テンプル大学(東京)のジェフリー・キングストン教授は、「歴史教科書は、断片化された史実を提供することにとどまり、個々の事件に対する歴史的評価が不足している。その結果、日本の若者達は、歴史のごく一部しか理解できないことになる」と指摘した。
東京都日本中国友好協会の宇都宮徳一郎・副会長は、「歴史教科書において、明治維新から第二次大戦終戦までの歴史記述は、完全ではない。『満州国』『南京大虐殺』など、中国に関する史実は、精確に記載されていないため、日本の若者は、中国の歴史を十分に理解できないまま大人になる。したがって、『中国がなぜいつも日本に対して憤ってばかりで、いつも日本を批判するのか』という疑いの気持ちが日本の若者に生まれることも、まったく不思議ではない」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年8月17日
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