上海協力機構の第15回首脳会議が先日ロシア・ウファで行われた。政治、経済、安全保障、文化協力の推進といった議題の他に、反ファシズム戦争勝利70周年記念についても重要な共通認識にいたった。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
各国首脳は「世界反ファシズム戦争ならびに第2次世界大戦勝利70周年に関する声明」を特に採択。この中で中国人民の勇敢な精神と功績を高く評価し、中国が日本軍国主義に抵抗して反撃する戦争において勇敢に奮戦し、世界反ファシズム戦争の勝利のために多大な犠牲を払ったことを認め、評価した。会議のプレス・コミュニケは、今年9月に中国の行う中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利70周年記念行事に積極的に参加する考えを明確にした。
上海協力機構首脳会議が9月3日の中国の抗日戦争記念日を重視したのは、中国の関心に配慮したからだけでは決してない。実際には、上海協力機構加盟国、さらには世界の圧倒的多数の国々は反ファシズム戦争に対して認識や立場を共有している。戦争の勝利の成果は苦労して手に入れたものであり、犠牲を払った国は尊敬されるべきだとの認識で各国は一致している。1931年の「九一八」事変(満州事変)開始以降、中国は14年の長きにわたる抗日戦争で血みどろになって奮戦した。大まかな統計では、中国軍民の死傷者数は3500万人以上で、このうち死者は2100万人に達した。中国は世界反ファシズム戦争のアジアの主戦場であり、抗日戦争は世界反ファシズム戦争を構成する重要な一部であり、世界の他の地域の反ファシズム戦争の勝利を支える重大な戦略的役割を果たした。第2次大戦中に中国が果たした役割を過小評価することは許されない。
ソ連の戦場はドイツファシズムに抵抗して反撃する主戦場であり、第2次大戦の欧州における主戦場でもあった。ロシア側の公表した資料によると、1941年から1945年までの大祖国戦争でソ連国民は計2700万人が勇敢に命を捧げた。上海協力機構加盟国であるカザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスは当時ソ連の構成共和国であり、それぞれ180万人、150万人、30万人、36万人が参戦したうえ、食糧、衣服や身の回り品、自動車、飛行機、飛行機のエンジン、戦車などの物資を前線に送り続けた。
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