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中国人民抗日戦争勝利70周年
>>ドキュメンタリー『光と闇--ドイツと日本の世界大戦反省』
 
ドキュメンタリー『光と闇』に見る独日の戦後教育

相澤瑠璃子

『光と闇』は第2次世界大戦後の日本とドイツの侵略国・民族への謝罪と賠償、そして戦後の戦争教育についての比較ドキュメンタリー番組である。第2次大戦中、日本は中国大陸を侵略、南京大虐殺や731部隊による細菌戦などを行い、ドイツも周辺国に侵攻し、ユダヤ人を収容所に入れた。大戦後は、日本は東京裁判、ドイツはニュルンベルク裁判にて、戦争責任者に対して死刑が言い渡された。その後の戦争に対する教育は日本とドイツとで大きく違う。日本は教科書を日本独自に作成し、第2次大戦中に過去の日本人がしたことにより現在の日本人が劣等感を抱くということを理由に、何度か改編された。それはかつて日本が侵略した被害国である中国・韓国などには受け入れがたい内容となり、度々反対の声が上がっている。反対にドイツは被害国ポーランドと共同作成した教科書を採用し、特に第2次大戦の内容は歴史の授業の大半を使用し、過去のドイツの非人道的な行いが二度と行われないように徹底的に教育されている。

では戦後教育が日本とドイツでここまで違っているのはなぜであろうか。戦後の裁判が原因の1つといえる。東京裁判では死刑になった級戦犯が25名ほどだったが、ニュルンベルク裁判ではナチスドイツのユダヤ人虐殺にかかわって死刑になった戦犯が数百人に及んだ。そのため、ナチスドイツの関係者がその後のドイツの政治関係に携わった形跡はほとんどない。余談であるが、2000年代になってもナチスドイツの残党が見つかるたびに裁判にかけ、ドイツがナチス関係者の罪を徹底的に暴くという姿勢は変わっていないようだ。しかし日本では、 級戦犯容疑者であった岸信介が第56、57代日本国総理大臣となり、多くの戦犯といえる日本人が釈放され、政治や経済の表舞台に立った。そのため周辺諸国から日本は第2次大戦で侵略を犯した罪を反省せず、罪の意識を感じていないと思われている。それに付随するかのように教科書問題も起こった。教育とは一種の洗脳作用をもたらし、人々は学生時代に習った内容の影響を受けたまま成人していく。現在問題となっている教科書を採用しようとしている学校は多くはないが、「侵略」という言葉が「進出」となったり、「南京大虐殺」が「南京事件」という名に変わったりと、日本側に都合のよい呼び名に変わっている。侵略戦争を正当化し、罪の意識が薄い日本側に、中国・韓国などの被害国は憤りを感じている。

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