最近、日本政府観光局が発表した最新データによると、今年の1~4月に訪日した中国人観光客の数は計132万9300人に達し、国・地域別で中国が初めて韓国を抜き、日本にとって最大の観光客輸出国となった。昨年、訪日した中国大陸部の観光客の数は240万人を超えた。しかし、日本から訪中する観光客の数は減少し、前年同期比5.56%減の約271万人となった。二つの現象の比較について、中国社会科学院アジア太平洋研究所の劉俊波副所長は、「中日観光における不均衡な現象が比較的顕在化している」と指摘する。
今回の訪中期間中、清華大学で基調講演を行った二階俊博氏は、これについて独自の視点を発表し、「現在、多くの中国人観光客が日本に訪れているが、日本から中国を訪れる観光客は減少している。観光は双方向であるべきだ。のこぎりで木を切る際に押して引いて切るのと同じように、釣り合いが取れていないと使用できない。中日観光もこれと同じで、往来がなければならない」と指摘した。
清華大学の現代国際関係研究員の劉江水副院長は、3000人の観光文化交流団の訪中は、より多くの日本人観光客が訪中するのに積極的な役割を果たすだろうという見方を示し、「交流団は、中国で観光地を巡っただけでなく、発展しつつある中国を見て、中国が開放的で、包容力に富む友好的な国家であることを肌で感じ取ることができた。また、帰国後に発信した写真や情報によって、観光団のメンバーの家族や友人もリアルタイムに中国を理解することができる」と語った。これと同時に、中国の多くの省が喜んで日本との観光協力を行う意思があることを発表している。
中国社会科学院観光研究センターの張広瑞センター長は、「観光、特に国際観光の非常に重要な役割は国家関係の改善を促進することだ。中国の観光業の発展過程から見ると、国の関係が困難な状況にある時でも、観光は硬直した状況を打破する手段として、民間が政府を促すことで、難局にある関係を改善させることができる。『国民外交』あるいは、『国家関係の潤滑油』と呼ばれ、相互理解を深めるのに役立っている」と指摘する。二階俊博氏は、「訪中した3000人の民間大使は、日本に帰国後、中国の真実の姿を周囲に伝えるだろう。これは、両国関係にとって非常にプラスになるはずだ」と語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年5月29日
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