双方の観光と貿易の回復にプラス
中日両国の民間観光業発展の見通しは明るい。劉江永教授の紹介によると、近年、日本はビザ発給条件をさらに緩和し、日本への自由旅行の利便化措置を取っており、それに加えて日本国内の量的緩和政策で日本円の対人民元相場が大幅安になっていることもあり、訪日する中国人旅行者が激増し、購買層として日本の企業や商店に歓迎されている。
「3000人の訪問はいいきっかけになる。中国の観光業関連組織や機関、企業の全体的な協同・協力強化を促し、飲食業やタクシーなどサービス業の集客能力を高めることができる」と劉江永教授は指摘する。調べたところによれば、2013年9月以降、訪日中国人旅行者数が増え始め、絶えず記録を塗り替えているが、中国を訪れる日本人旅行者数は増えておらず、ひいては低落期に入っている。最も少ない時期の訪中者数は最も多かった時期の30%にすぎなかった。人民元高で日本人旅行者の訪中コストが高くなったことも原因の一つだが、日本の一部メディアの対中報道にマイナスのものが多い、中国観光業のソフト・ハード面に改善すべき点があるなどの要因もある。「今回の3000人訪中団が中日の双方向観光回復の転機となり、両国間の交流が回復し発展することを期待している」と王泰平氏は話している。
二国間貿易では、2014年の中国と日本の二国間貿易額は1兆9200億元で、前年同期比で1%減となった。2013年のドルベース中日貿易額は前年同期比で6.5%減だった。趙剛氏は、中日関係の影響のほか、中国の産業構造調整も中日二国間貿易額減少の原因の1つだという。これまで中国は主に原材料か一次加工品を輸出していたが、産業構造調整が進むに従って、輸出入品目の全体的相互補完を前提にして、中日双方にも競争が生まれている。「いずれにしても、中日の民間レベルの相互間交流訪問は中日民間貿易を促進する。これも今回の大規模訪中団の意義の1つだ」と趙剛氏は指摘している。
「北京週報日本語版」2015年5月22日 |