訪中団は中日国民の相互理解を促進する
劉江永教授は、「釣魚島問題と日本の現指導者の戦争観や歴史観における間違った言行によって、中日両国の政治関係が滞った。政治関係の良し悪しは両国国民間の感情に影響を及ぼしやすい」と指摘する。劉江永教授によると、中日両国の国民間では、特に直接的な交流を行って、過激に偏りすぎたネット世論に両国民の感情が左右されないようにすることが必要だという。
今回の訪中交流は中日の民間相互理解、特に日本人の中国人に対する理解をより一層促進し、しかも不正常な民間の対立感情を緩和するのに役立つだろうと趙剛氏は指摘する。
「3000人の訪問は、日本国内の両国関係改善を望まない人々に対し『No』をつきつけた」と劉江永教授は言う。劉教授によれば、今回のことから、中国国民は日本もすべての人の意見が同じなのではなく、全員が中国に対して非友好的ではないということを知るだろう。3000人の観光文化交流団は、中国の名所旧跡を見て回るだけでなく、発展しつつある中国を見て、中国が開放的で、寛容で、友好的な国であることを実感できるだろう。ひいては訪中団メンバーが携帯電話でアップする写真や記事を通じて、彼らの家族や友人がタイムラグなく中国を知ることができ、ポジティブなエネルギーを伝えることだろう。「心をこめて中国に来てくれるお客さまをおもてなしし、歓迎するべきだ」と劉教授は強調する。
王泰平氏によれば、中日両国は隣国であり、交流しない理由はなく、国民がもっと行き来し接触することで、誤解を解き、共通認識を深め、親近感を増すことができ、両国関係の改善にも役立つ。「今回の訪中団は両国関係の回復にとってプラスの影響があり、きわめて賞賛し評価すべきものだと思う」。
とはいえ、劉江永教授は次のような注意を喚起することも忘れてはいない。今回の訪中団は民間の大型訪中団であり、日本政府の公式代表団ではないため、中日間の最も重要な問題を解決することはできない。「今回の訪中団に対する我々の期待は、中国が歴史問題と釣魚島問題に対する立場を変えることを意味してはいない」。劉教授は、歴史や領土問題での日本の指導者の間違った言行に対しては、中国は自らの立場と原則を堅持すると同時に、彼らと日本国民を区別するべきだ、と指摘している。
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