現在、中国が推進する「一帯一路」(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海のシルクロード」)戦略は、アジア・アフリカ・ヨーロッパ各国に恩恵を及ぼす偉大な戦略構想である。この構想を実施し早急に成果を上げるには、バンドン精神と平和十原則は依然として欠かせないものだ。特に十原則に含まれている中国が打ち出した平和共存五原則は、なおさら堅持しなければならない。現在の社会においても、各国の主権と領土保全の尊重、他国の内政不干渉、全ての人類の平等と大小全ての国の平等の国際準則は依然として各国の平和共存、協力・ウィンウィン、共同発展の基調となっている。この基調の下でのみ、関連諸国が積極的に「一帯一路」構想に加わり、共同でこれを推進して、共通の繁栄を実現することができるのだ。
このほか、アジア運命共同体構築の推進に従って、アジア経済は次第に一体化しつつあり、それが大勢の向かうところになっている。そのためには、アジア諸国がバンドン精神を堅持することが必要だ。バンドン精神はアジアの全体意識向上とアジア自身の発展、そして従来のグローバルガバナンス構造変革の推進に資するからである。中国は新たな姿勢でアジアに溶け込み、アジア諸国が外部干渉を振り払うことができるようにし、バンドン精神を基礎としてより一層協力パートナーシップを発展させていくべきだ。
もちろん、「バンドン精神」は60年前と明らかに異なる国際環境下で、その影響力と役割を発揮していかねばならないだけでなく、時代とともに発展し、グレードアップと最適化を行っていく必要もある。例えば、すでに世界第二の経済体となった中国は、アジア・アフリカ諸国の経済貿易協力を促進し共に繁栄する上でいかにリーダーの役割を果たすべきか、いかにして「一帯一路」戦略下でアジア・アフリカ諸国との経済貿易協力を拡大し深化していくかを、真剣に考えていくべきである。
中国の指導者はすでに多くの公の場で、中国は「一帯一路」関係各国との政策交流をさらに強化し、互いの利益が合致する点をたえず拡大していく、と強調してきた。しかし外部干渉による南中国海紛争、アジアの安全保障といった要因が順調な協力展開に影響を及ぼしている。こうした内部要因の影響は、60年前に各国が一致して植民主義に立ち向かった局面と比べ、かなり複雑になっている。中国が相互連結性インフラや、陸の経済回廊、海上協力ポイントの設置、自由貿易圏交渉、そして人的・文化的交流協力を通じて、アジア・アフリカ諸国と互恵的協力をしていく有効なアプローチを見つけ出すには、バンドン精神の継承を基点として新機軸を打ち出していく必要がある。
「北京週報日本語版」2015年4月16日 |