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北京週報>>特集>>中国共産党第18期四中全会>>評論  
国際司法協力の新たなチャンス

本誌評論員 蘭辛珍

 

最高人民検察院は海外へ逃亡した職務犯罪容疑者を集中逮捕するため、9月26日から半年にわたる職務犯罪海外逃亡犯・財産の国際追跡活動を展開している。これは中国政府が腐敗防止において新たに振り下ろした鉄拳だ。海外へ逃げた犯罪容疑者にもはや法外の地はなくなり、まだ海外へ逃げていない汚職官僚も海外での「自由」な生活を期待するのはやめたほうがいい。

汚職官僚の海外逃亡は中国で盛んに論議されている話題であり、その悪影響は国と社会に大きな損害をもたらした。最高検察院は各級検察機関に対し、全力で海外逃亡中の職務犯罪容疑者を逮捕して裁判にかけ、法という武器を最大限に使って違法資産を追跡するよう求めた。これは国のイメージを守るためのみならず、法の権威を守り、汚職・腐敗を強力に取り締まるための行為でもある。

官僚の汚職・腐敗問題はどの国にも存在している。しかし、汚職・腐敗を働いた後に不正な手段で得た金を持って海外へ逃げる者は中国が一番多いようだ。海外逃亡中の中国汚職官僚がいったいどのくらいいるのかについてまだ正確な情報はないが、最高人民検察院の掌握したデータから見れば、情勢はかなり厳しい。統計データによると、2008年から2013年にかけて中国政府が逮捕した海外逃亡汚職犯罪容疑者は6694人だったが、これはほんの一握りにすぎない。

第18回党大会開催以来2年近くの間、中国は腐敗防止・廉潔政治の建設に力を入れてきた。海外逃亡汚職高官に対する法的制裁はそのうちの一つだ。今年7月22日、公安部は海外逃亡した経済犯罪容疑者を逮捕するための「獵狐2014」を実施したが、この活動と現在展開中の職務犯罪海外逃亡犯・財産の国際追跡活動によって、中国の海外逃亡汚職官僚追跡逮捕の戦いは盛り上がりを見せ、国民から広範な称賛と支持を受けた。

今回の国際追跡活動は、中国の司法制度と国際司法制度をリンクさせる上でプラスの影響をもたらすと思われる。ここ数年来、中国の司法制度と西側の司法制度には隔たりがあったが、経済のグローバル化を背景にして、中国と西側諸国間の経済貿易往来と人的往来が多くなった一方、これによって起こる司法面での衝突もますます多くなってきた。どのようにして中国の司法制度と国際司法制度を互いに協調し、協力するかは、中国と国外の司法界が共に直面している重要な課題であるはずだ。

今回の活動は、中国が異なる司法制度とリンクする上でちょうどいい具体的実践となった。中国の法執行部門は積極的に海外へ進出し、「国連腐敗防止条約」の指導下で、他国の司法部門との協力を通じて、長期的な法執行協力体制を確立し、国際的法執行環境を形づくり、共同で違法犯罪を取り締まろうとしている。これは中国が国際司法制度との協力を強化する上で積極的意義と現実的効果がある。

今回の国際追跡活動は複雑な系統的プロジェクトであり、法執行部門が国内外の相互協力を積極的に強めることが必要であるだけでなく、さらに効率的で協調的かつ秩序ある体制・仕組みを構築して、国際追跡活動の相乗効果を高める必要がある。それには、中国が相手国との間で警務、外交、司法、銀行など関連分野における意思疎通や協調を行い、職務犯罪国際追跡活動における情報の疎通と協力体制の確立を推進することが必要だ。そうなれば、中国と他国が司法機関の指導下で法によるテロリズム撲滅を行う上でも経験を積むことができるだろう。

中国の汚職官僚と経済犯が、長期にわたって一部西側諸国で法の網を逃れてのうのうと暮らすことができた理由を突き詰めると、中国がこれらの国と刑事問題に関する相互援助条約を締結していないか、またはこれらの国が中国の司法制度に偏見を持ち犯罪人を引き渡さなかったからである。中国は今回の国際追跡活動の機会を利用して、国際間の腐敗防止協力の仕組みを徐々に構築し、完備させ、特に関連する司法協力の仕組みを整える必要がある。

中国経済が経済グローバル化の流れに溶け込んでいるという背景の下では、国際司法協力はグローバル化しなければならない。そうして初めて犯罪をより効果的に抑止し、法の尊厳を守ることができるのだ。

「北京週報日本語版」2014年10月16日

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