次に、歴史が立証しているように、覇権主義は人々に支持されず、一時羽振りをきかした覇権主義思想により結成されたいわゆる「集団」、「同盟」などの二国間あるいは多国間関係は、人類の歴史上線香花火のようにすぐに消え失せてしまうものに過ぎない。社会制度とイデオロギーを超えて、覇権主義と強権政治への反対を主旨とする平和共存五原則だけが、歴史の試練に耐え、次第に国際社会から幅広く受け入れられ、認められ、国家関係を発展させ平和と発展を実現するための基本的な準則と理念となっている。
現在、人類社会は経済グローバル化段階に入っており、平和共存五原則の重要性はますます顕在化してきた。国際社会は「相手の中に自分がいて、自分の中に相手がいる」という融合状態になり、国家間の紛争解決の最も良い方法は戦争ではなく、和平交渉を行い、平和共存五原則を踏まえることだ。まさに習主席が指摘するように、なにかというとすぐ武力に訴える又は武力によって相互に脅威を与えるといったことをしてはならない。武力の行使に熱心になるのは強大さの表れではなく、モラルが乏しく理念がしっかりしていないことの表れなのである。
中国は引き続き平和共存五原則の発揚を基礎に、中米の新型大国関係、南中国海周辺諸国との平和友好関係および新たな反テロ協力関係の構築に力を入れ、それによって、アジアと世界の平和に対する覇権主義の脅威を帳消しにし、弱めていくべきだ。
中米関係について言えば、衝突・対立せずに、相互に尊重する、協力・ウィンウィンの関係を構築する新型大国関係であるべきで、このような新型大国関係はまさに平和共存五原則を基礎にしたものである。国連安保理の常任理事国である中米が新型大国関係を構築することは、両国の利益に合致するのみならず、世界の平和と発展にとっても有利である。中米両国の共通利益は相違よりはるかに大きい。双方は寛容な態度と平和的方法で相違を処理するべきだ。中米は共同発展の善意を示し、平和的発展の意志を表明し、協力・ウィンウィンの目標を達成する必要がある。
中国と南中国海周辺諸国との関係にとって、平和共存五原則はより重要なものである。中国は南沙諸島とその付近の海域で争う余地のない主権を持っている。中国は南中国海周辺諸国が歴史的発展の過程と関連国際法に基づき有する主権と権利を尊重し、またその他すべての国が有する、航行の自由など合法的かつ平和的に南中国海を利用する権利と自由も尊重している。同様に、中国が南沙諸島の島や礁で進める活動も、完全に中国の主権の範囲内のことであり、各方面から尊重されるべきだ。南中国海紛争の解決では、最も効果的なアプローチは対立ではなく、直接関連する当事国が歴史事実と国際法を尊重した上で交渉と協議を行うことだ。
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