本誌評論員　蘭辛珍

 平和共存五原則６０周年記念式典が６月２８日に北京で行われた。中国、ミャンマー、インド三カ国の指導者が記念式典に出席し、中国の習近平国家主席が「平和共存五原則を発揚し、協力・ウィンウィンの素晴らしい世界を構築」と題する基調演説を行い、中国が今後も引き続き平和共存五原則発揚の手本となること、国際社会と一緒に、新しい国際関係、恒久平和、共同の繁栄という調和の取れた世界の構築を推進していくことを強調した。 

これは新アジア安全保障観の発表に続く、世界の平和的発展に対する中国の重要な態度表明である。習主席の演説から、世界各国の平和共存、共同発展を望む中国指導者の内なる願いを感じ取ることができる。 

しかし今日の世界では覇権主義が依然強い勢いを見せている。この冷戦期の産物はグローバル化という大きな背景の下でも歴史の舞台から退いておらず、一部の国は覇権主義思想の主導の下で絶えず他国の内政に干渉し、地域情勢の動揺を招き、ひいては戦争と災難をもたらして、世界の平和に影響を及ぼしている。 

覇権主義をどう抑えていくのか？これはすべての正義と平和の推進者が絶えず考えている問題だ。我々は、平和共存五原則の発揚は覇権主義を抑制する良い方法だと考える。 

まず、過去６０年間、平和共存五原則は重要な国際関係基本準則として、国家間関係の規範化、国家間に存在する問題の解決、世界と地域の衝突の解消などにおいて代わることのできない重要な役割を果たし、アジアと世界の平和プロセスに対し深い影響を及ぼしてきた。