本誌記者 戴小華
今年は中仏国交正常化三十五周年に当たる。この記念すべき日が訪れる前に、ビエール·モレー中国駐在仏大使は本誌記者のインタビューに応じ、中仏関係の過去、現在と将来について次のように語った。
両国関係が絶え間なく発展
国交正常化三十五年来、両国関係は長足の全面的な発展をとげ、豊かな経験を積んできた。双方は中仏協力の必要性及び両国関係の発展が両国の根本と長期の利益に合致することをよく知っているため、困難や問題にぶつかっても、それを一つ一つ克服していった。
近年、中国が各分野で著しい成果をあげたことはフランスを強く引きつけ、両国関係はさらに強化された。特に江沢民国家主席とシラク大統領が一九九七年に相互訪問を行い、両国が全面的なパートナーシップを樹立したと宣言し、昨年四月に朱鎔基総理がフランスを訪問し、九月にジョスパン首相が中国を訪問したことは、両国関係に大きな原動力を注ぎ込み、その意義と影響は長く、深くかつ広範囲に及ぶものである。両国政府は相次いで共同声明および科学技術·経済貿易協力協定を結び、二十一世紀に向けての中仏関係の発展のために確固とした基礎を築いた。昨年、アジア金融危機がアジアないし世界の経済発展に大きな影響をもたらしたにもかかわらず、中仏両国は依然として一連の経済貿易と科学技術協力協定を結んだ。今回の危機を通じて、双方は協力強化の必要性をさらに深く認識した。
三十五年来の中仏関係発展の状況に対する見方をより全面的にはっきり表明するため、私はわざわざ貴誌のために筆を執ったのである。
本誌記者のインタビューに応じるモレー中国駐在仏大使(右)
世界政治の多極化に対する共通の認識
多極化の世界政治の枠組みの構築に力を注ぐことは、仏中両国の重要な戦略的認識と政治の共通点である。五、六〇年代の冷戦時期以来、フランスはこの面での努力を始めた。西側の大国の中で、フランスがまっさきに中国と大使級外交関係を樹立し、北大西洋条約機構(NATO)を脱退した。国際政務の中では、フランスは自らの立場と声をもつべきである。中国は一貫して世界に声が一つしかないようなことがあってはならず、多極化の世界政治構造をつくりあげるべきだと主張している。このため、両国は先に政治面で多極化の構想を構築した。もちろん、今日の新しい情勢のもとで、多極化はより豊富な内容をもち、経済、文化、科学技術などの分野に広がっている。
何はともあれ、多極化に対する関心と共通認識は、すでに中仏関係の重要な政治的基礎となっている。多極化は当今世界の逆転できない発展の趨勢であると私は思う。
両国関係を熱心に推進
モレー大使は着任二年余り以来、全力を挙げて仏中関係の発展および各分野における両国の協力と交流を推し進めてきた。同大使は政府活動のほか、両国民間の接触にも便宜を提供している。昨年だけでも、フランス大使館はフランス語を話せる中国人千五百人余りと接触し、交流を行った。同大使はまた大使館のその他の館員が中国側との接触と協力を強めるよう要求している。
中国をよりよく理解するため、モレー大使は中国語の学習を堅持している。「中国語は難しいが、私は毎日勉強しています」と記者に語った。中国各地を観光することはモレー大使が中国を知るためのいま一つの主なルートである。二年来、同大使は二十余りの省、市へ行き、当地の政府、企業と良好な関係を打ち立て、中国人の日常生活と中国の輝かしい伝統的文化をさらによく理解した。
モレー大使は最後に、「貴誌は中国に関する情報を大量提供しており、私と私の同僚および中国に関心をもつすべての人にとって非常に役に立つ雑誌である、このチャンスを借りて、貴誌の読者に良好な祝福と心からのあいさつを送りたい」と語った。
「北京週報日本語版」1999.NO.8
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