内陸部・辺境地域開放の拡大は、中国の対外開放を拡大し全国の地域発展均衡を促進する上での重要な内容だ。中国東部の経済開放はすでにかなり進んでおり、経済発展と人々の生活水準は中進国並みであるため、外部投資家にとっても内陸地域のほうがより目を向ける価値がある。

外部投資家にとっての直接的好材料は他にもある。政府職能転換を加速し、許認可など市場参入規制を含むミクロ経済に対する直接的干渉を削減し、マクロ的な間接管理をさらに多く採用するとされたことだ。

三中全会コミュニケには次のような言及がある。「企業が自主的に経営し、公平に競争し、消費者が自由に選択し、自主的に消費し、商品と生産要素が自由に流動し、平等に交換される近代市場体系の形成を加速し、市場障壁の除去に力を入れ、資源配置の効率と公平性を高めなければならない。公平・開放・透明という市場規則を打ち立て、市場が中心となった価格決定の仕組みを整備し、都市と農村が一体化した建設用地市場を構築し、金融市場体系をさらに完全なものとし、科学技術体制改革を深化させる必要がある」。これらすべての内容は、中国の投資ソフト環境が引き続き改善されていくことを意味している。特にコミュニケの「予算管理制度を改良し、税収制度を改善し、権限と支出の責任とが相互に見合った制度を構築する必要がある」という部分は、中国の公共サービスが比較的高効率を保ち、絶えず改善されていくことを意味する｡ 

当然ながら、中国が市場参入を拡大したことで外部投資家の利益が保証されるわけではなく、より多くの自由競争機会が提供されるにすぎない。利益を上げて発展するか損失を出して淘汰されるかは、投資家自身の競争力次第だ｡

外部投資家にとっての直接的好材料はまだある。中国が国民生活水準改善を加速すると同時に、目先の利益ばかりを見て将来を考えない欧州式(或いは「ギリシャ式」)の発展路線を取ることはないと確信できたことだ。