中国の既存の国家安全関連システム・制度は、新たな情勢のニーズに適応できなくなってきている。既存の中央外事、国家安全、テロ対策などの指導グループおよびその弁公室は非公式、臨時的なものであり、国家安全の中核機関として日常の問題を追跡、分析、調整することは困難で、重大な突発的事態に緊急対処し、総合的な国家安全戦略を策定、調整、監督するのに十分なマンパワーや資源もない。各機関の上に位置する、権威ある機関を創設し、国家全体の利益に立って、国内各方面の力を調整し、効率的に取り組み、複雑さと厳しさを増す国家安全問題に対処することが急がれている。
国家安全委員会は長い準備期間を経て、機が熟して自ずと創設の運びとなった。中共中央は一貫して国内外の両大局を統合的に扱うことを強調し、外交の革新、戦術策定とトップレベルデザインを重視してきた。これは国家の発展に着眼して国家の安全を支えるための必然的過程だ。この体制革新は国内外の国家安全保障問題について統合的に計画するうえでプラスだ。国家安全委員会の設置によって、国家安全保障はもう縦割り、横割りではなくなり、各当局間の意思疎通不足、調整不足、さらには責任転嫁が解消され、各当局の力を効果的に整理統合し、外交・安全保障政策の調整・実行能力が高まり、国家安全保障を全体的に扱う意識が確立され、各々が職責を果たし、合力が形成される。国家安全委員会は高度の戦略性、全局性、長期性、総合性、緊迫性を備える重大な国家安全問題に焦点を合わせ、国家安全保障政策の決定と実施の主導性、迅速性、調整性を強調し、中央指導下の国家安全政策の決定、調整の中枢となる。
国家安全委員会の創設は新たな時代における中国の戦略への自信、戦略の明確性、戦略の堅実さの反映であり、中国の平和的台頭にとって新たな保障となる。この措置は世界覇権を求めるためではなく、国家の安全体制と安全戦略を完全なものにし、中国の発展の戦略的チャンス期を十分に活用し、積極的かつ主導的に築き、国家の安全を確保することで、より良く平和的に発展するためだ。国家安全委員会にとって創設は第一歩に過ぎず、調整の中で発展していく。国家安全委員会の創設が士気を高め、国家安全保障に新局面を切り開き、中国の優勢獲得、未来獲得を後押しし、中国と世界のウィンウィンを実現することに疑いの余地はない。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月13日
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