現在のところ、今回の簡政放権により2つのプラスの変化が生まれている。1つは投資分野における変化で、国家と公共安全に関係しない投資プロジェクトであれば、投資政策決定者がより多くの自主権を得られるようになった。2つ目は生産経営活動分野で、市場メカニズムの有効な調節と業界組織の自律的管理が可能であれば、政府の許認可が不要になった。簡政放権で、企業の経営活動はより柔軟性を増すだろう。
7月20日から、中国人民銀行は金融機関貸付金利規制の全面緩和を決定し、金融機関は商業原則に基づいて自主的に貸付金利を決められるようになった。中央財経大学中国銀行業研究センター主任の郭田勇氏は、「貸付金利規制緩和は中国の金融改革推進における重要措置であり、新指導部の金融改革推進にかける決意を示すものだ。中国の金融体制改革はまたも重要な一歩を踏み出した」との見方を示す。
9月29日、上海自由貿易区が正式に成立した。これは中国政府の改革推進と開放型経済レベル向上に向けての重大措置であり、中国の改革開放が新たな歴史段階に入ったことを意味している。
中国政府の取り決めに基づくと、上海自由貿易区の主要任務は、中国の対外開放の新たな道とモデルを探求し、政府職能転換と行政体制改革の加速を促し、経済成長モデル転換と経済構造最適化を促進し、開放によって発展・改革・革新を促し、踏襲と普及が可能な経験を積み、全国の発展に役立てることである。
これまで30年余りの改革開放は「浅水区」改革開放と呼ばれ、慎重に進められてきた。参考にできる経験はなかったが、間違いを許容し、それを修正してきた。しかし今、中国は「深水区」改革に入り、これまでと同様に参考にできる経験がない上に、中国の経済社会発展の深層にある体制・政策的弊害がすぐにでも全局に影響する状況にあり、改革において間違いを犯すことは許されない。そのため、まず特定エリアを設けて試験を行い、制度が成熟してから1つずつ打ち出すようにしなければならない。
これが中国の改革方法だ。中国の改革開放のさらなる推進は盲目的なものではなく、慎重で安定志向のものだ。隆国強氏は言う。「中国政府は改革を全面的に深化すると同時に、改革・発展・安定の三者間の関係を適切に処理するだろう」。
「北京週報日本語版」2013年11月7日
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