本誌記者 蘭辛珍
11月9日~12日、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)が北京で開催される。世界が今回の会議に関心を寄せ、会議で打ち出される改革措置と政策精神に注目している。
各種ルートから伝わってくる情報によると、今回の会議は中国政府がこれまでより難度の増した「深水区」改革開放をスタートさせる会議となり、改革の全面的深化についての検討と全体配置を行うと見られ、より大きな政治的勇気と智恵をもって、思想をいっそう解放し、社会生産力を解放し、発展させ、社会の革新活力を増強するだろう。
1978年の第11期三中全会は中国改革開放の幕開けとなり、全国の活動重点は経済建設へと移った。1993年に開催された第14期三中全会は、中国の特色ある社会主義市場経済建設の方向性を決め、当時数年間の市場参加者のためらいに決着をつけ、中国経済はここから急速な発展の道をたどることとなった。
第18期三中全会が中国にもたらすのは、次なる新たな出発点だ。
重点は経済分野
経済のグレードアップ版を作り上げることは、第18期三中全会が改革を推進する上での内生的原動力である。
国務院発展研究センター弁公庁主任の隆国強氏によると、中国は経済グローバリゼーションの中で利益を得た数少ない発展途上国である。利益を得ることができたのは、35年前に中国が正しい改革開放戦略を取り、経済グローバリゼーションがもたらしたチャンスと中国の比較優位性をうまく結びつけたからだ。
当時、中国の比較優位性は低コスト優位性、特に低コストの労働力だった。沿海地域の開放や特区設置など各種開放措置を通じて、加工貿易政策を実施し、外部の資金や技術、海外販売ルート、多国籍企業の管理と中国の低コスト優位性とをうまく結びつけたことで、貿易小国であり閉鎖された経済体だった中国は一躍世界最大の製品輸出国になり、大きな飛躍を遂げた。
しかし30年余りの発展を経た後、低コスト優位性は次第に弱まりつつある。こうした状況下で、さらなる開放拡大と改革深化を通じ、より高付加価値の産業活動と技術・資本集約度がより高い製品・サービス上で新たな国際競争力を築くことが、中国のさらなる開放拡大と改革深化に向けての重要検討事項となっている。
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