世界は中共第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)に期待している。これはつまり中国がどう変革するかに期待しているということだ。中国も世界も経済ガバナンスに最良の案を見いだすことを切望している。そして大勢さえ把握すれば、正しい案を見いだすことができる。世界金融危機後の5年間、特に今年を見ると、経済ガバナンスにとって改革、調整、革新が必須であることが難なくわかる。(文:秦宏・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
まず今年について見てみよう。9月と10月に世界は夏季ダボス、G20サミット、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議という経済をテーマとする3つの大きな会議を迎えた。各会議は各々重点が異なるが、夏季ダボスの打ち出した革新は必須とのスローガン、G20サンクトペテルブルク首脳宣言の打ち出した柔軟性、多角的貿易交渉の積極的進展の確保、国際通貨基金(IMF)クオータ・ガバナンス改革案の迅速な実行、クリーンエネルギーの発展の支持、APEC首脳の形成したアジア太平洋の成長推進に向けた7つの共通認識と、3つの大きな会議は期せずして等しく改革革新というメッセージを発した。
5年前に世界金融危機が発生し、世界経済は大打撃を受け、世界経済の発展過程に変化が生じた。世界金融危機の表面上の誘因は節度なき金融的冒険だが、突き詰めると根本的原因は国際経済の構造と秩序の不合理性にある。過去5年間に世界経済の秩序と構造には全体的にも局部的にも的確な調整がなされた。
世界レベルで見ると、G20がG8に取って代わり、世界経済ガバナンスの中心的プラットフォームとなり、グローバル・ガバナンスにおける新興国や発展途上国の地位と役割が著しく高まった。先進国は新興国や途上国に世界銀行やIMFにおける出資比率と投票権を譲渡し始めた。バーゼル3が採択、施行され、銀行業に対する規制・監督が強化された。地域レベルで見ると、米国は再工業化プロセスを開始し、関連計画を策定・実施している。欧州は統合を加速し、過度の福祉を段階的に削減している。日本はアベノミクスを推し進め、金融緩和、財政刺激、構造改革という「3本の矢」を放ち、あるいは準備している。新興国は産業の高度化を積極的に推し進めている。
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