中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議をひかえて対外経済体制の改革には非常に大きなメリットがあるが、これを阻む力は国内経済体制の改革を阻む力以上である可能性がある。対外経済体制の改革を順調に進めたいと思うなら、突破口を着実につかむことが必要だ。まず、自由貿易パークのテスト事業を着実に推進し、地方政府の積極性をかき立て、一括型の対外経済体制の改革テスト事業を実行する必要がある。(文:隆国強・国務院発展研究センター党組織メンバー兼研究員。「中国経済週刊」掲載)
対外経済体制の改革は、改革でもあれば開放でもある。国際情勢と中国の優位点に生じた新たな変化は、対外経済体制の改革の深化に対し、差し迫った要求をうち出している。対外経済体制の改革を深化させなければ、対外開放のバージョンアップをはかることはできず、国内経済体制に改革を迫り、改革のメリットを発揮させることもできない。
▽対外経済体制に存在する3つの問題世界貿易機関(WTO)への加盟後、中国は対外開放が全面的に進み、対外経済体制の開放は非常に大きな進展を遂げた。だが中国のもつ優位点は今、大きな変化を迎えつつある。金融危機後の世界経済は深いレベルでのモデル転換や調整の時期にあり、既存の対外経済体制では国内外の情勢に生じた新たな変化に対応することがますます難しくなってきた。
第一に、既存の対外経済体制では中国が求める国際分業における地位の向上に対応できない。世界の産業バリューチェーンにおける中国の地位を高めようとするなら、優位点を変化させることが必然的に求められる。だが既存の対外経済体制ではこのような新たな要求に対応できず、ハイエンド産業の活動、ハイレベルの生産要素を導入するのにもマイナスであり、さらには企業が海外進出して外部資源を取りこむのにも対応できず、中国が新たな戦略的チャンスの時期を十分に活用するのを難しくする。
第二に、既存の対外経済体制では中国が求める産業構造の改善に対応できない。サービス業の開放が不十分で、管理や制限が過剰であることが、サービス業の発展を制約している。税金や通関をめぐる政策がハイエンド製造業や地域本部などの活動の招致を制約しており、産業構造の改善やグレードアップにとってマイナスになっている。
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