最終接近段階で、「神舟9号」は終始「天宮1号」のターゲットに照準を合わせ続け、ドッキング環接触時の振動は非常に小さかった。中国有人宇宙飛行プロジェクト副総指揮の牛紅光氏は「十重丸」という言葉で「神舟9号」乗組員を称えた。
「世界には理由のない成功はない」。中国が手動ドッキングを初めて成功させた後、宇宙飛行士システム総体室主任の劉偉波氏は記者に対し、今回の成功の原因と秘話を語ってくれた。
「ドッキングは見事だった。精度も高く、ドッキングにかかった時間も7分未満と短かった。自動ドッキングの時にはだいたい10分前後かかっていた。短縮された約3分間は、コンピューターと比べ人の頭脳のほうが優れていることの証だ」と劉偉波氏は言う。
劉偉波氏によると、これまでの自動ドッキングの過程では干渉光の問題が起きたことがあり、ドッキングのプロセスに一定の影響があったという。
「今回の手動ドッキングでは、宇宙飛行士が手動で調光を行い、光飽和を回避した。これがマニュアル操作のメリットだ。宇宙飛行士は十分に環境の変化を感知して、問題発生を防止し、その時にすべきだと判断した操作をいつでも実行できる。これはプログラムを実行することしかできない機械にはできないことだ」。
また、劉偉波氏は今回の手動ドッキングには特徴が2つあったと考えている。1つは、操縦の過程でターゲットを終始ほぼ中心に捉えており、誤差が非常に少なかったこと。2つめは、今回のドッキングで「神舟9号」が逆さまになって飛行している状態だったことだ。このような状況下では、後退と前進の軌跡が正常飛行とはちょうど正反対の方向になる。宇宙飛行士はこのような制御方向の違いにも適応しなければならない。
三人の飛行士が手を振って成功を祝っている。
|