宇宙船「神舟9号」はまもなく3人の宇宙飛行士を乗せて宇宙へ旅立ち、天宮1号とドッキングを行う。これにより、中国の宇宙ステーション建設が新たな段階を迎えることとなる。中国新聞網が報じた。
神舟9号と天宮1号のドッキング後、3人の飛行士は天宮1号の中で数日間滞在し、仕事をする。宇宙での生活は、宇宙飛行士の体にどのような影響をもたらすのだろうか?健康状態を把握する方法は?これらの問題を解決するべく、天宮1号には宇宙飛行士のための医学的モニタリングシステムが配備されている。同システムは宇宙飛行士の生理学的指標を通じて健康状態のモニタリングを行う。
中国有人宇宙飛行プロジェクトに参加する重要機関の1つ、湖北省襄陽市の航天科技集団4院42所は、神舟9号のロケットエンジン、宇宙船モジュール密閉システムを開発したほか、医学的モニタリング用検査セットを提供した。
数多くのモニタリング任務の中でも重要なのは、宇宙飛行士の尿検査だ。これにより、生理学的指標のリアルタイムモニタリングを行う。
宇宙飛行士は検査のため、試料採取、前処理、試料注入・検査などの各ツールを使う。これらのツールは総称「医学的モニタリング用検査セット」と呼ばれている。微重力かつ狭いモジュール内で使用されるため、これらのツールはシンプルに見えて実は奥が深い。
第一に、これらのツールはいずれも非常に小さい。天宮1号の内部は狭いため、ほとんどが親指くらいの大きさで、最大でも手のひらサイズだ。セットはまとめて1つの箱に入っており、幅15センチ、高さ20センチほどだ。サイズは小さいが、その機能は充実しており、精密に設計されている。
第二に、微重力の環境でも、ワンタッチ操作でマイクロリットル単位の正確な量を測ることができ、試料の正確さ・信頼性を確保できる。
第三に、ツールの材料は全て厳格な要求に基づいて選ばれており、宇宙環境下で無毒であるだけでなく、耐酸性・ 耐アルカリ性・耐熱性を持ち、生化学的指標にいかなる干渉もせず、データの正確さを確保することができる。(編集SN)
「人民網日本語版」2012年6月14日 |