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総理のインド訪問きっかけに対印世論改善を

 

中印両国の潜在能力を合わせると、その大きさは一部の西側諸国の人々を不安にさせるに十分だ。中印が互いに消耗し合っていれば、国際政治学論上は西側の利益に合致する。西側が必ずしもこのような計画を真剣に練り実施するとは限らないが、こうした願望は西側の世論、ひいては政界の要人からも垣間見えており、西側諸国の中印に対する外交活動を導くこともあり得る。

中印間には明らかに外部から楔を打ち込まれてもおかしくないところがある。まず、国民間の相互好感度が低く、小さな摩擦が極端に拡大されやすい。また、同時に台頭してきた中国とインドは、それぞれの影響力が高まるとその一部が相互間の圧力に転化していく。中印間の「相互補完性」もそれほど顕著ではない。

インド社会は民族的自尊心が強いが、中国社会はインド人のこうした感情とどうあっても折り合いをつけようとしない。多くの中国人はインド理解に興味を持たず、インドについての紹介も往々にして実利主義的で、話し手がある種の政治観点を裏付けるために、インドを単純に「最大の民主国家」もしくは中国にはるかに及ばない「汚く、秩序がなく、劣った国」と表現している。中国世論にはインドに対する尊重が足らず、インド台頭についての研究も真剣に行われていない。

中印は他にもまだ多くの点で互いに疑念を抱いている。例えば、相手が自国に対する「包囲」計画を巡らしている、もしくはその計画に参加しているのではないかと互いに疑っている。しかし中印関係は今、この数十年来で最も良い時期にある。実際、そのおかげで相手に対する防備に心を砕いたり資源を投入することが大きく減り、自国の現代化により多くの力を注ぐことができた。

中印間の雰囲気を改善するには、両国政府が主要な責任を負わなければならない。両国メディアの国境問題に対する無節操な扇動的報道の代わりに、双方の世論がもっと興味を持ち注目するような「両国のためになること」を創り出す必要がある。中印の戦略的協力パートナー関係を発展させるには、決意のみならず両国政府の知恵もまた必要なのだ。

「北京週報日本語版」2013年5月21日

 

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