李克強・中国国務院総理は19日からインドを訪問している。中国の新総理が初の外遊先にインドを選んだことは、中国がこの巨大な隣国を特に重視し尊重していることの表れだと広く受け止められた。(環球時報社説)
李総理は20日、インドのシン首相と会談した。
中印関係は長い間様々なネガティブなニュースに悩まされてきた。10数日前にも、両国の国境軍部隊のにらみ合いが世間を揺るがしたが、両国政府は李克強総理の訪印前に「タイミングよく」この対立を解消した。
中印関係について「良い」か「悪い」かを単純に評価するのは難しい。両国間には世界最大規模の国境解釈の食い違いがあり、武力衝突になったことがあるだけでなく、今に至るも実効支配ラインに対する認識が異なっている。悪いほうへ考えれば、両国が国境解釈の食い違いを理由に新たな戦略衝突へと向かう可能性はいつでもある。
しかし中印国境の実際状況は、釣魚島及び南中国海上の一部の係争島嶼よりはいい。両国は領土問題がすぐには解決できないことをよく分かっているが、どちらの政府も両国関係の焦点を意図的に国境からより広い領域へと誘導しようとしている。メディアは常に騒ぎ立てているが、両国の国境をめぐる態度は攻撃的ではなく、国境問題で中印関係をもつれさせたくないという共通の願いを示している。
実際のところ、西側は地政学的な角度から中印関係を評価しているし、中印両国の世論もこうした評価をすることに熱心であるため、「竜と象の争い」説が盛んに唱えられた。しかし中印政府は現在、常に世界戦略の見地から互いを見つめている。後者の見地から見ると、中国とインドは世界最大の新興国であり、世界の金融秩序や気候変動など重大問題上で利益がかなり一致している。両国は紛争よりもはるかに協力を必要としている。
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