~未来から現在の「私」に書いた返信~
斎藤文男(元・南京大学日本語学部専家)
「10年後の私への手紙」という題を作文の授業で出し、「未来は過去にある」ことを学生に考えてもらおうとした。「10年後の自分」とともに、10年後の社会や環境問題なども同時に推測してほしかったが、学生は自分たちの幸せな生活を夢見る内容が多かった。
☆優しい夫、可愛い子供に囲まれて…☆
≪OHさん。私は10年後のあなたですが、私の今の姿を決めるのは10年前のあなたです。半年間のクッションをおいて就職するというあなたは、10年後、立派な社会人になっています。優しい夫、可愛い子供、元気な両親に囲まれ、妻、母、娘と1人3役をこなしながら、家庭と仕事を両立させている2013年のあなた。それは2003年のあなたが決めることです。10年後に会いましょう。≫
☆仕事は、ご主人は、友達との連絡は…☆
≪OMさん。あなたは、10年後の私についていろいろ質問しました。ずっと銀行に勤めているか。ご主人はどんな人か。今の友達と連絡はあるか。静かな喫茶店で共有の思い出を話し合いたい、と書いてあります。
花は毎年同じように開花するが、人は年々齢を重ね世代が代わる(2011年3月4日、南京市の梅花山で)
10年後、どんな生活をしているか、どんな人を夫にするか、10年間の途中での選択は、すべて10年前のあなたの判断にかかっています。私のところでは結果しか分かりません。今の私の姿は、すべてあなたの手中にあるわけです。≫
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