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北京週報>>特集>>斎藤文男氏のブログ  
◇日本の中の中国、中国の中の日本◇
 

◇奇数の「陽」を好む日本人文化◇

ユネスコ無形文化遺産に指定された和食の基本が、中国の陰陽五行説からきていることを話すと、多くの人が信じられないような表情だった。

日本料理の本には、刺身の盛り合わせは必ず「奇数盛り」と書かれている。しかし、なぜ奇数なのかその理由は書いていない。中国古代の世界観による「陰陽五行説」では、「天・男・日・昼・動・明」など積極的な性質をもつプラスなものを「陽」、「地・女・月・夜・静・暗」など消極的な性質のマイナスなものは「陰」とされている。数字の場合、奇数は「陽」、偶数は「陰」となっている。日本人の美的センスは、二等辺三角形の左右対称の形より不等辺三角形の形を味のある美しさと感じる。結婚の祝い金も3万、5万、7万など奇数の枚数の金額が礼儀とされている。2万円の場合でも1万円札と5000円札2枚の計3枚にして奇数とする場合が多い。刺身も結婚祝い金も積極的な「陽」のものとして考えて「奇数」にしているのだろう。

◇押して掃くホウキの使い方に衝撃◇

ノコギリ、カンナを使うとき、日本では手前に引いて使う。「中国では二つとも押して使う」と話すと、「ええっ!本当かなあ?」と、会場の人たちは信じられない様子だった。

竹ぼうきを向こう側に押して掃くのを見たときは、驚きの声が上がった(2014年4月22日、南京市広州路にて筆者写す)

ノコギリ、カンナも中国から伝えられたものだが、当初は日本でも同じように押して使っていた。しかし、ともに手前に引いた方が微妙な細工が可能になることから、日本では中世以降、手前に引いて使うようになった。中国では昔の押すやり方を現在でも引き継いでいる。ジャガイモやニンジンの皮むき器も日本では手前に引いて使うが、中国では日本とは逆に手前から向こう側に移動させて使用する。日常生活の中で日本は「引く文化」、中国は「押す文化」と言えるが、中国のホウキの使い方を説明したとき、会場にいた人たちは「そんなことあり得ない」といった表情だった。

南京市内で今年春、道路を掃除していた人を撮った写真をスクリーンに映すと「え~っ!まさか!」と驚きの声があがった。竹ぼうきを手前から向こう側に押しながら掃いていた。南京に滞在している間は何回も目撃しているので、「そういう方法もあるのだなあ」と感じていた。しかし、初めて見た人はかなりの衝撃だったようだ。どちらが正しいというものではない。自国の方法だけを主張すればそこには必ず摩擦が生じる。相手の異なる文化も認めて受け入れることが相互理解の促進につながるものではないかと、私は訴えて2時間近くになった講演の結論とした。

「北京週報日本語版」2014年12月29日

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