◇日本で博士号をもらい南京に戻りました◇
卒業後数年経っても連絡してくれるのは教師冥利に尽きる嬉しさだ。二胡やハーモニカを教室に持ち込んで歌を歌ったり、落語や手品をやった授業が新鮮で、印象に残ったのかもしれない。
南京大学卒業後、北京大学大学院から日本の北海道大学で博士課程に進んだHSさん=女性=は、「教師節快楽」との件名で博士号取得をメールで知らせてくれた。
《斎藤先生 HSです。私は今中国に戻っています。報告が遅くなりましたが、北海道大学の博士課程を無事修了し、博士号をもらいました。南京市内にある大学の内定をもらいましたので、准教授として赴任しました。日本語の授業を行うとともに、日本の文化遺産を研究する予定です。……「一日為師、終生為父」(ひとたび師と仰げば、一生自分の父親のように大事にする=中日辞典、小学館)という諺がありますが、斎藤先生ほど親心を感じさせられる先生に出会うことはめったにありませんでした。》
古巣の南京大学から日中両国の“北大”に学び博士号を取得して、前にいた南京の大学で日本語を教えるHSさんは、生まれた母川から大海原に出て成長し、再び母川に戻って次世代を育む鮭のようにも思えた。
往年の賑わいを取り戻したようにイルミネーションが輝く南京市夫子廟の夜景(2010年5月7日写す)
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