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北京週報>>特集>>斎藤文男氏のブログ  
◇中国の教え子が見た日本人像◇
 

◇日本人に残っている中国の諺の精神◇

「日本人は思い遣りがあって、気持ちが繊細で優しい。」とHKさんは思う。日本人の友人の座右の銘は「己所不欲、勿施于人」(己の欲せざるところ、人に施すなかれ)だった。「相手が嫌がることをしてはいけませんよ」と、この日本人の友人は子供の時から親に言われていたのかもしれない。

今の中国では、何かを贈るとき、高価なものほど良いとみられている。人によってはかなり経済的な負担になっても、面子を保つために歯を食いしばっても買ってしまう人も多い。まさに「打肿脸充胖子」(顔が腫れあがるまで殴って、太ってみせる)だ。日本では「中味より気持ちが大事」という人が多い。ささやかな贈り物にも多くの場合、メッセージカードを添えてある。これは中国語の「千里送鹅毛,礼轻情意重」(贈り物はささやかでも、志は厚い)という言葉の意味にも通ずる。「どちらも中国の諺なのに、中国の人たちには忘れられているようですが、日本人の心の中にはきちんと生きているように思う。」とHKさん。日本人の中にも、見栄をはって高価なものを贈る人がいるが、「中味より気持ち」と考える人が一般的である。

相手の立場に立って考えることは、日本人の職人気質にもある、とHKさんは感心する。日本の会社にいた時、作っていたドアやトイレ、システムキッチンにしても、中国の地元メーカーではまったく気づいていないところまで配慮していることに驚いた。それはユーザーが使用する時、確かに不便を感じるところだった。このような観点は電子製品や自動車など“日本の顔”ともいえる商品はもちろん、お菓子作りや日本料理にも表れている。

また、中国人は自己主張が強く、物事をはっきりと指摘するが、日本人は謙虚で控え目な性格の人が多く、喧嘩などはめったに見られないうえ、不満があっても直接口にしない、ことにも驚く。

例えば、店でコーヒーを注文して、サイズが違ったものを出されても、日本人は大体黙って大きいサイズのお金を払ってそれを飲む。中国人は、はっきりと主張して小さいサイズに変えてもらう。店員が注文を間違えたのなら、変えてくれるように主張するのが中国人にとっては当たり前のことだが、日本人は相手の立場のことを考えて間違いを指摘しないケースが多い、とHKさんには見える。

規則や決まり事が多い日本社会で、外国人にとってはそれが時にはストレスの要因になることも…〈JR新宿駅西口付近のビル街)

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