～謙虚でマナーを守るが、規則、決まり事が多すぎる～

斎藤文男（元・南京大学日本語学部専家）

謙虚で我慢強く、公共の秩序やマナーは良く守るが、規則や決まり事が多く融通性に欠ける……。私の中国の教え子HKさん（女性）が見た日本人像である。大きな災害に遭っても暴動などは起きず、配布される救援物資を並んで順番に受け取っている。一方では大学や会社などで規則や決まり事が多く融通性に欠けることや、相手に対する気配りが複雑で、長年日本で生活している中国人はストレスがたまってかえって居心地が悪くなる、という。彼女は、中国の大学院を卒業して修士号を取得した後、日本企業に就職して６年間日本で生活した。今年５月、高校時代の同級生と結婚、現在、博士号取得するため中国に戻り勉学を続けている。日本と中国の双方をよく理解しているHKさんの視点は、日本人自身ではちょっと気付かない日本人像がそこにはあるようだ。