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北京週報>>特集>>斎藤文男氏のブログ  
◇日本の「桜前線」ただいま北上中◇
 

◇記者時代、気が付かなかった桜花の美◇

狭山市街地から車で5分ほどのところにある「智光山公園」は、総面積53.8ヘクタール。武蔵野の自然を残した広大な都市公園で、園内には「こども動物園」や市民体育館、都市緑化植物園などもある。人口15万人ほどの市としては自然豊かな地域である。「桜の園」には「ひょうたん池」の周囲に桜の木が約200本植えてある。満開となった桜の木の下では、幼稚園児が記念写真を撮ったり、仲間同士で「お花見弁当」を味わっていた。桜の花の頭上には、近くにある航空自衛隊入間基地に着陸する飛行機が低空で降りていく。タッチアンドゴー(離発着訓練)をする飛行機もあり、何回も同じコースを飛ぶケースもあり、上空からもお花見を楽しんでいるようだ。

戦後米軍基地として接収され、1973年に返還され一部が公園となった「狭山稲荷山公園」(面積16.5ヘクタール)には桜の木300本ほどあり、市民憩いの場所になっている。米軍基地は現在航空自衛隊入間基地となり、米軍基地関係者の住宅地となっていたのが公園として整備された。広い芝生の中に太い桜の木がどっしりと根を張り、地面近くまで花の枝が垂れている。私が訪れた日には、「桜まつり」が開かれ、「健康体操」などを市民が楽しんでいた。園内には臨時の飲食店も並び、子供たちがお菓子を食べながら歩いたり、犬と散歩をする人、桜の花の下にシートを敷いて家族で食事をするなど春を満喫していた。

新聞記者をしていたころは、この地域も取材対象の管内だった。近くにある桜の花の美しさに気が付かなかったのは迂闊だった。これらの公園は何回も取材をしたことがある。お花見の写真を撮り、記事にもしてきた。しかし、これほど見事な美しさを感じたのは今年が始めた。写真を撮ったらすぐに原稿にして送稿し、次の取材に出掛けていた。鑑賞する余裕はなかった。新聞記者は、見て聞いて記事にはするが、現場を鑑賞するゆとりがなかったことを今反省している。現在でも、潤いが感じられない記事が多いのは残念だ。

空高く伸びたハクモクレンと航空自衛隊の輸送機(智光山公園)
 

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