◇予想外の新たな発見も期待◇
このような疑問や推理を、日中双方の民俗学、社会学、植物学、生物学などの研究者が集まって話し合ったら、医学の面からだけではわからない禽流感対策が生まれるかもしれない。
春の七草はアブラナ科が3種類、キク科が2種類、セリ科、ナデシコ科が各1種類となっている。春の七草は時代や地方によって多少異なるが、種類が最も多いアブラナ科の若菜の要素に何かの秘密があるのかもしれない。アブラナ科の花は菜の花(中国語:油菜花)といわれ油の成分を多く含んでいる。この科のナズナは花の実が三味線を弾くバチにているので「ペンペングサ」とも呼ばれる雑草である。道端や原っぱ、茅葺の屋根の上などどこにでも生えている。この雑草を利用して次世代のジェット燃料やディーゼル燃料の原料に利用しようと「バイオ燃料」の研究も進められているほどだ。
日中文化交流による「禽流感対策」の成果がなかったとしても、日中間で長い歴史のある文化交流の新たな一面を確認することや、予期しなかった意外な発見も期待できるのではないだろうか。新たな発見がなかったとしても、「文化強国」を目指す中国が日本と協力して文化の交流を強めることは、3000年の日中文化交流への第一歩になると思う。
「北京週報日本語版」2013年6月9日 |