◇ジャーナリストめざし全力で走ります◇
<3年生の時、日本に留学したため、先生の講義を受けるのは、今学期が初めてでした。先生の授業からは、「日本時事」だけでなく、社会のあり方や人間の生き方などいろいろなことを学びました。一緒に過ごした時間はけっして長くありませんが、先生のような方になれたらと考えています。そして、全力で走ります。(C・Gさん=女性)>
将来、ジャーナリストになりたいC・Gさんは、学期中、私の授業を1回も欠かさず出席してくれた。中国メディアの日本特派員として、中日両国の相互理解を深めるために自分の力を尽くしたい、と将来の夢を膨らませている。私が現役時代に書いた記事やコラムを教材にしたものを読み、深い印象を持ったようだ。
<有権者や政治家だけではなく、平和を求める一般の国民の立場からニュースの裏にある事実をとらえ、世の中のさまざまな声を聞き取り、広く伝えられるジャーナリストになりたいと心に決めました。>
日本と中国では報道メディアの役割が異なるので、希望どおりに実現できるとは限らないかもしれないが、不屈の精神であきらめず前進してほしいと思う。
<短い間ですが、いろいろと教えてくれて誠にありがとうございました。……先生がいないと誰も花や虫の話をしてくれません。先生がいないと、誰も手品を見せてくれません。これからも体に気を付けてくださいね。(E・Kさん=女性)>
記者時代、当局にとって不都合なニュースや警察官の不祥事などは、大きな事件があった時に発表される場合が多かった。何もない日にはそれが大きく扱われるが、大事件などがあった時には小さく扱うしかないからだ。扱いは小さくとも重大なニュースがあることを知ってもらおうと、授業で手品をやった。右手にカードを持って高く掲げ、自分でもそのカードを見ると、全員がそのカードに注目する。左手のほうはまったく見ないので、そこで次のタネの動作をすることができる。大きなニュースでいっぱいになっていても、小さな扱いのニュースも重要であることを左手を動かして実演した。E・Kさんはそのことが印象に残ったようだ。このときやった手品のタネは明かしていないが、卒業の時にはタネ明かしをやって、社会で惑わされないように励ましたいと思う。
春の空を覆い尽くすように伸びて、滴るような木々の新芽。年々、学生の成長を見るようだ。(南京大学鼓楼校舎構内で)
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