◇南京市に関心をよせる契機になれば……◇
山形県の人口は116万人。県都の山形市は25万人。サクランボやリンゴ、ブドウ、洋梨のラ・フランスなど果物や稲作を中心とした農業県である。県内13市19町3村の全部に温泉がある全国で唯一の温泉観光県でもある。
毎年9月の第一日曜日に開催される「日本一の芋煮会」に使わる重さ3.2トンの大鍋
春になると、サクランボ、モモ、ラ・フランス、アンズなど果物の花が一斉に開花し、山形民謡の「花笠音頭」に歌われるように“花の山形”となる。夏は周囲の山々の新緑が滴るように輝き、秋には錦の装いで彩る。冬には手近なスポーツとしてどこでもスキーが楽しめる。私は6年間の滞在中、子供たちが幼稚園から小学校に上がったころだった。子供たちと四季を通じて遊んでいた。遊びの合間に仕事をやっていたようなもので、都会の便利さだけでは味わえない実に楽しい日々だった。子供たちも自然の中でのびのびと成長していった。
山形県は、「世界で最もヒットした日本のテレビドラマ」といわれるNHKTV朝の連続ドラマの「おしん」が生まれた土地でもある。どんなに辛いことでも乗り越える辛抱強さと、人情味溢れるのが山形県人気質といえるようだ。
山形県は1993年に黒竜江省と、山形市は1983年に吉林省吉林市と友好交流都市を結んでいる。今回の私のお詫びの手紙や毎日新聞の報道で、山形県の人たちが、南京市についてもいくらかの関心を持ってもらえれば、私の失策もまったくの無駄にはならないだろうと思った。(写真はすべて筆者写す)
「北京週報日本語版」2012年8月2日 |